花束の差出人は?
私が部屋から出ると、そこにはアルマン様やレオニール様、ジェイク様、クラーク様がいた。
「見違えましたね。ミーナ様、綺麗ですよ」
「ありがとうございます、アルマン様」
「今夜のエスコート役、とても光栄です」
「いえいえ、私こそアルマン様にエスコートしていただいて、とても光栄ですよ」
「ありがとうございます、では行きましょうか」
私達は、夜会の会場になっている広間へ向かった。
今夜の私のドレスは、赤色だ。派手過ぎだとメアリに言ったんだけど、“ミーナ様の漆黒の髪が映えるのは、このドレスです”と推しきられた。
髪は、左側に全て流していて右側の首筋が全開になっている。ドレスは、スカート部分が膨らんでいて、刺繍を施してある。
ドレスが派手だったから、せめて身につけるアクセサリーはシンプルな物をと、赤い小さな宝石が付いているネックレスと、イヤリングにしてもらった。
アルマン様達と話をしながら歩いていると、会場の前にカリムが他の子達と話をしていた。
「あ、お疲れ様です!」
話をしていた一人が、私達に気づき挨拶をした。
どの子も、学院で一緒に学んでいた子達だった。
私の姿を見たとき、一瞬目を見開いたがすぐに戻って礼をしている。
「ミーナ様、今夜は夜会の間この者達が傍につきます。念のため私も付きます」
「分かりました、今夜はよろしくお願いします」
「「「「はい!」」」」
カリムは、私がバイールに戻ったあと新たな人達とチームを組んだらしい。
それが、今の子達なのだろう。
「それでは、参りましょう。」
そして私は、アルマン様にエスコートされ会場の中へ入った。
まずは国王夫妻への挨拶……国王夫妻の元へ行くまでの間、色々な視線が私に突き刺さる。
嫉妬の視線、羨望の視線、好奇心の視線、私を値踏みするかのような視線、ほんとに様々な視線が私に注がれる。
国王夫妻の元へ着くと、私は胸に手をあて一礼して、国王夫妻への挨拶をする。
「この度は、お招き頂きありがとうございます。今後もどうか、よろしくお願い致します」
「うむ、今日ははるばるバイールから来てもらい誠に嬉しく思う。楽しんでいってくれ」
「急に呼んでしまってごめんなさいね、どうしてもお礼が言いたかったのです。陛下を、アルマンを……そして、ブレンディア王国の民を助けてくれて、本当にありがとう」
「いえ、私は出来る限りのことをしたまでです。これからも、私に出来ることならなんでもさせていただきます」
「えぇ、ありがとう。今夜は楽しんでね」
「はい」
私はもう一度、礼をした。
「それでは、皆のもの存分に楽しんでくれ」
国王のこの言葉で、皆がそれぞれ食事をしたり、おしゃべりと自由に動き始めた。
「ミーナ様」
「分かってるよ、メアリ。とりあえず、挨拶をしていって、ある程度したらルーン家の人のところに行くから」
「かしこまりました」
私は、カリム達と挨拶回りに行った。
挨拶をしていると……。
「こんばんは、ミーナ様」
「こんばんは、シュトール様。お久しぶりですね」
「えぇ……私からの贈り物は気に入っていただけましたか?」
「はい、とても綺麗なお花でした。私の部屋が花畑のような感じになりました」
「そうですか」
「昨晩は、何も贈っていませんよね?」
「昨晩、ですか?昨晩は贈っていませんね、レオニールからも同じ質問をされたのですが、何かありましたか?」
「昨日の夜、差出人不明の花束が部屋の前に置いてあったもので、お礼が言いたかったのですが差出人が分からないもので……」
「なるほど……それは気になりますね」
「まぁ、ゆっくり探しますので」
「そうですか……」
「それでは、また」
「はい」
それから私は、シュトール様とわかれて挨拶をしたり、食事をしたりして夜会を楽しんだ。




