結婚相手
「それで話とは?」
「シュトールのことです、たぶんあいつはしつこくミーナ様に絡んでくると思います」
「そうなんですか?でも、女性には自分から話しかけないと聞いていたんですが……」
「その通りです。ですが、それはあくまでも、興味を持ったもの以外の場合です。話を聞く限り、シュトールはミーナ様にとても興味があるようなので、これからも絡んできますよ」
「それは、また……特殊な方なんですね」
「えぇ……とても」
レオニール様は、学院時代を思い出したのか、とても疲れているような表情だった。
きっと学院時代にも、シュトール様のこの特殊な性格で困ったことでもあったのだろう。
「今回の夜会に、シュトールも出席することになっています。できるだけシュトールを観ておきますが、何かあれば言ってください」
「分かりました、ありがとうございますレオニール様」
「あいつの扱いはなれていますので……。それと、カリムとのことですが夜会の会場の隣の部屋になります。またその時に案内します」
「はい、よろしくお願いします」
「では、俺はこれで……」
「あ、今メアリがお茶を淹れてるので少しゆっくりしていってはどうですか?」
「……いいんですか?」
「はい、そのほうがメアリも喜びます」
「……分かりました」
それから、メアリがお茶と軽い食べ物を持ってきてくれたから、レオニール様と一緒に話をしながら食べたりしていた。
最近の学院の様子やら、カリムに私と二人の時間ができると言ったときの喜びようだとか……。
そういった話をしてゆっくり過ごし、レオニール様は仕事があるため、部屋を出ていった。
「本当に、レオニール様は気遣いのできるお優しい方ですね。それに、ブレンディア王国の第一王子でありながら、騎士団の団長……」
「……何が言いたいの?」
「ミーナ様の結婚相手として、どうなのかと思いまして」
「結婚相手!?」
「ミーナ様……そろそろ本気で考えていかなければ、あなたはバイール王国を担っていくのですから」
「ま、まだいいでしょ!ですが、そろそろ本腰を入れていかなければ」
「うーん……」
そっか……それも考えていかなきゃな……。
一生できないと思ってたからな、バイールの離宮で暮らしていたときは……。
私は、婿を迎えないといけないんだよな。
私とレミールしかいないし、そうなると次男とか家督を継がない人になるよね。
確かに、レオニール様も候補に入るよね……。
でも……。
「レオニール様はダメよ」
「何故ですか?」
「レオニール様は、ブレンディア王国にとって無くてはならない存在……。それを、私の勝手でこの国から盗ったら、アルマン様を支える方がいなくなるでしょ?だからダメよ」
この言葉を聞いたメアリは……。
“それって、それさえ無ければ迎えてもいいと思ってるってこと?もしかして、ミーナ様気づいてない?え?無自覚なの!?ミーナ様……離宮暮らしが長くて、あのむさ苦しいバイールの騎士団にいたからかしら?どうしましょ……これからでも鈍感って治せるのかしら……”
物凄く、ミーナのことを心配していたらしい。
一方のミーナは……。
“バイールにそんな人いたかな?まぁ、どうにかなるよね”と楽観的にとらえていた。
実際には、最初に行ったミーナが拐われた夜会の翌日から、ミーナに縁談がたくさん来ていたのだがバイール王国の国王であり、父親が縁談を全て断っていたのだ。
それだけで、一日の大半が終わってしまうほどに多くて、とても困っている。
ミーナ本人は全く気づいていないのだが、マーン伯爵の夜会でも、ミーナに話しかけたいと思っていた者達も多かったのだが、ミーナはシュトール以外とは軽い挨拶程度だった。
さてさて、見事ミーナの心を射止めるのは誰なんでしょうか。
後半が第三者視点になってしまいました。
申し訳ないです。
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