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シュトール・マーンのこと~レオニール~

俺は、ミーナ様との連絡を終えまた書類に目を通していた。


確かに、おかしい……。

あのシュトールが、ダンスに誘ったり贈り物をしたりするのは、俺が知る限りでは無かった。

逆に誘われることはあったが……。


「とりあえず、手紙を出すか……」


学院時代から女に人気があるやつではあった、だが……学院でも人気のある女に言い寄られていた時は、さすがに誘いに乗るかと思ったが“いや、止めておく”と、即座に断っていたことがあった。

基本、自分が興味のあるものしか眼中にないやつだった。


それが、ミーナ様に興味を持つとは……。


「はぁ……」


トントン


「はい」

「兄さん……何かあった?」

「アルマンか、何かあったとはどういうことだ?」

「いや、兄さんの顔が凄い怖かったから何かあったのかと思ってね」

「別に……」

「ほら!また怖い顔、ミーナ様に何かあった?」

「!!!」


なんで分かるんだ?


「兄さん、なんで分かるんだって顔してるけどだいたい兄さんが感情を顔に出すのは、ミーナ様関連ばっかりだよ。気づいてなかったの?」


気づかなかった……そうだったのか?

ミーナ様関連だと知られているなら、話した方がいいな。


「シュトールを覚えているだろう?」

「シュトール・マーン?兄さんの親友でしょ?それにかなりの堅物らしいね」

「ミーナ様がそいつの父親が主催した夜会に行ったみたいで、その時……シュトールから話しかけられ、ダンスにも誘われ、贈り物までいただいたらしい」

「それはまた……ミーナ様も凄い人に好かれたもんだね」

「あいつの性格知ってるだろ?興味を持ったものには、しつこく付きまとうあいつの性格を……」

「あー……、それは、まぁ……」

「はぁ……」


ミーナ様は、大変だぞこれから。

シュトールの外面しか知らないやつらは、堅物だとか言うが、あいつは変人だ。

かなりの、実際……研究に没頭し過ぎて、一週間ずっと研究室にいたやつだ。

本当に、ミーナ様は厄介なやつに目を付けられた。


「ミーナ様も大変だ、そうだ!」

「なんだ?」

「今度城で、母上主催の夜会が開かれるだろ?それに、ミーナ様を呼んだらどうかな?」

「夜会にか……」

「あの事件で、早めに俺達にケイ・ルーンが接触するのを見越して、俺に術が掛からないようにしたり、母上と父上の偽者を作って離宮へ避難させたのもミーナ様だろ?だからきっと、母上は招待すると思うよ」

「なるほど……」

「まだ、ケイ・ルーンが捕まっていないのが気になるのは分かるけど、今回のミーナ様の頑張りを褒めるのが先だよ。それに、ミーナ様をあの事件が終わってすぐに、バイールに戻って今頃は、夜会やら茶会やらで、疲れも溜まってきてるところだろうし」

「それなら、今度の夜会もじゃないのか?」

「今度のは、俺達がいるからミーナ様を上手く連れ出して、休ませることができるだろ?」

「あぁ……そうかもな」


確かに、それならミーナ様を連れ出しても俺達が上手く言っておけば、誰にも責められることはないか。


「分かった」

「よし、ならカリムに知らせて会わせてあげようか」

「それがいいな、ミーナ様に連絡を入れておく」

「了解。で、ケイ・ルーンのことだけどもしかしたら、別の国に逃げるかもしれないから国境の警備厳重にしといたよ」

「分かった、夜会当日の警備はどうする?」

「今夜話そう」

「あぁ」

「じゃまた夜に」

「あぁ」



カリムに言ったら、飛び上がって喜ぶだろうな。

ずっとミーナ様を気遣っていたし、事件が終わってもちゃんと話をしたわけではないしな。


とりあえず、今日の書類を片付けてからだな。




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