二度目の夜会
「うーん……やっぱりドレスはきついなー」
私は、馬車の中にいます。
マーン伯爵の屋敷は、バイールの王都の外れの方にある。
普段は、夜会などの社交の場にはあまり顔を出さないが、時折夜会を開いて交流を深めたり、情報を得たりしているらしい。
「姫様、ちゃんとしてください!今回招待されたお客様の中では、姫様が一番位が高いんですから」
「分かってる」
「全く……もうすぐ着きますから、しっかりなさってください」
「着いたら、伯爵にご挨拶して他の人にも軽く挨拶すればいいんでしょ」
「その通りです。さ、着きましたよ」
馬車が止まり、扉が開かれる。
先にメアリが降りて、私は後からメアリの手を借りて降りる。
するとそこには、体が大きくグリーンの髪のダンディーなおじ様と、似たような髪色の端整な美丈夫がいた。
「姫様、よくお越しくださいました。色々大変な時に申し訳ありません。」
「いいえ、マーン伯爵。この度はお招きありがとうございます。妹のように、社交の場が得意ではありませんので、色々とご迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。屋敷の中までは私の息子、シュトールがご案内します」
するとマーン伯爵の隣に立っていた、ライトグリーンの髪の人が、お辞儀をしていた。
私もつられてお辞儀をする。
「それでは、参りましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
シュトール様は、手を差し出してきた。
私もそこに手を重ねた。
そして、私とシュトール様は会場へ向かった。
「ミーナ様はブレンディア王国にいらっしゃったとか」
「あ、はい、ブレンディア王国のルッシェル学院に通っていました。」
「そうでしたか、実は私もルッシェルに通っていたのですよ、ブレンディア王国の第一王子のレオニール様とは親友でした。今でも時々、飲みに行ったりしてるんです」
「そうだったんですか、とても仲が良いんですね」
「そうですね、学院にいた頃は様々な話をしました、未来のブレンディア王国のこと、レオ……レオニールは弟のアルマン様を支え、共にもっとよくしたいと言っていました」
「そうですか」
「確かミーナ様は、ブレンディア王国に行くまではバイールの騎士団にいたとか」
「はい、ずっと離宮に閉じ込められていることに飽きてきていた時に、騎士団の入団試験があって受けたのです」
「大変でしたでしょ?バイールは他と違い、女性騎士がすくないですから」
「そうですね、確かに大変でしたが実力主義なので、私が力を付けある程度上にいくと、だんだん増えてきてましたね、あまり表だって呼び掛けをしていたわけではありませんが」
「正に、ミーナ様が惹き付けたと言っても過言はないですね」
「いえいえ、そんな大層な物では……」
私達が話していると、いつの間にか会場に到着していた。
「もっと話を聞きたいのですが、挨拶回りがありますのでこれで」
「はい、ありがとうございました。シュトール様」
それからシュトール様と別れ、挨拶回りをしていた。
挨拶回りが終わるころには、ダンスが始まっていた。
一応、ダンスのレッスンも受けてはいたがあまり上手ではないので、壁の方に寄っていた。
「ミーナ様、せっかくですし踊りませんか?」
「シュトール様、ですが私はどうもダンスは苦手で……」
「大丈夫ですよ、さ、行きましょう」
シュトール様は手を差し出して来た。
まぁ一曲だけならいいだろう。
そう思い、私はシュトール様の手に手を重ねた。




