今までの事
「それにしても、よく誰にも知られずに入れ替われましたね」
悪払いの準備をしながら、アルマン様が言った。
「私も、レイヤード様からこの作戦を聞いた時は驚きましたけどね」
「でも、いつから入れ替わっていたんですか?」
「バイールで姫として、夜会に出席してほしいと言われた日の夜ですかね~、真夜中にレイヤード様が部屋に来た時はびっくりでしたよ」
そう、夜会の前の日の夜から入れ替わっていたんだ。
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「ミーナ、ミーナ起きろ」
「ん、ん~?」
「俺だ、レイヤードだ」
「レイヤード、様?……なっ!」
「おっと!叫ぶのは無しな」
私が頷いたのを見て、私の口を覆っていた手を放した。
なんでまたこんな時間に?
「どうかしたんですか?」
「実は、明日の夜会でお前が拐われることが分かったから、その対策をな」
「また見えたんですね」
レイヤード様は未来を見ることができる、これを知ってるのは私だけらしい。
あんまり広がっても、他の奴らに使われるぐらいなら、使わない方がいいとか言ってたな。
「で、だ。とりあえずお前の偽物を大至急で創るぞ」
「え、でもすぐバレませんか?」
「だから、その偽物にもちょっと細工するんだ」
「細工?」
「そう、話せるようにとミーナみたいに行動するようにな」
「そんな、できるんですか?痛っ!」
レイヤード様が私の頭を殴った。
「俺によくそんな事言えたな」
「はい……すみません」
「分かればよろしい」
「じゃあ私はどこに隠れてればいいんですか?」
「とりあえず、精霊王のとこに居てくれるか?あそこなら安心だろう」
「了解」
「で、ブレンディア王国の様子も分かるように精霊に頼めば見せてくれるだろ」
「そうですね」
「じゃ創るぞ」
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「で、入れ替わったってとこですね」
「ブレンディア王国の様子、てことは今までのも見てたってこと?」
「はい、だからあのタイミングでここに来れたんですよ」
「なるほどな……兄さん達はもうここに着く?」
「もう来ますよ」
バンッ
「ミーナ様!!」
「はい!」
大きな声で名前を呼ばれ、反射で私も大きな声で返事をしてしまった。
ドアの方を見ると、レオニール様やジェイク様がいた。
「無事だったんですね、ミーナ様」
「入れ替わるんなら言っといて下さいよ~」
「すみません、レイヤード様に止められてて」
そんな感じでレオニール様と、ジェイク様の対応をしていると……。
「ミーナ様ー!」
「うっ!ちょっと、ジークいきなりタックルしないで」
「ほんとに心配したんですから!」
「分かった分かった、とりあえず離れて」
私が抱きついてきたジークを離そうともがいていると。
「ジーク様……その辺で」
「え、あ、はい……」
いつの間に私たちのところに来ていたのか、レオニール様がジークを引き剥がしてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「いえ……」
「さ、とりあえず今はレミール様を助けるのが先だよ」
「あ、そうだ!レイヤード様、陣を描くのを手伝っていただいていいですか?バイロン様はこの部屋に結界をお願いします」
私たちは、レミールの悪払いをするための最後の準備を始めた。
必ず助けるからね、レミール。




