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手掛かり~アルマン~3

「あー始まったみたいですね」

「誰だ!」


俺とレミール様しか居なかった空間に突如、第三者の声が聞こえ声がしたほうをみると……。


「ケイ・ルーン……」

「お久しぶりです、まさか俺の術が効いてなかったなんて、思いませんでしたよ」

「レミール様に何をしたんだ」

「ちょっとだけ、悪の精霊の力を借りたのです」

「悪の、精霊……」

「えぇ、レミール様は俺と初めて会った時、すでに悪に堕ちようとしている途中だったのです。俺は、悪の精霊の力を借りてレミール様の悪堕ちを抑制していた。だが、たった今本当に愛していた貴方が、レミール様がこの世で一番嫌っているミーナ様を庇い、レミール様の罪を暴こうとした。

故に、レミール様の中にある闇が増幅し、悪堕ちが急速に速まったのです」


レミール様が、悪に堕ちようとしていた?

それに、ミーナ様を嫌っている?

二人は幼い頃に引き離されているはずだ、レミール様は両親からも、民からも愛されていたはずたし、ミーナ様は離宮で生活していたはずだ。

それなのに、なぜレミール様がミーナ様を嫌う理由がある?

ミーナ様がレミール様を嫌うなら、分からなくもないが……。


「レミール様はダンスや勉強が嫌いなのは知ってますか?」


ダンスや勉強が嫌い?

確かレミール様は、学業の成績も良くダンスは精霊が踊っているかのように綺麗だと聞いたが。


「レミール様は、嫌だったのです。姉であるミーナ様は、楽しそうに毎日を送っている……なのに、自分は嫌いな勉強やダンスばかり……こうして、レミール様の闇は深くなっていったのです」


どこかでミーナ様が、騎士団の奴と一緒にいるのを見てしまったのか?

まぁ、確かに姉でありバイール王国の第一王女でありながら、幼い頃から離宮で暮らし社交とは無縁だったであろうミーナ様。ミーナ様が出ないため、様々な社交の場に行くのはレミール様だったのだろう。


バイールには、跡継ぎと成るものがいない。

だからこそ、レミール様は常に跡継ぎとしてのマナーや勉強をしなければならなかったのかもしれない。


「レミール様のお気持ちが分かりましたか?ずっと苦しんで居られたのです。最期ぐらい楽にさせて下さい」

「最期だと!?」

「はい、どっちみち彼女は助かりません」

「そんな!確かにレミール様は苦しかったかもしれない、しかし、ミーナ様も苦しんでいないと何故分かる?」



「その通りです!私も悩んだりしたんです!」



声がしたほうを見る、すると……。


「ミーナ、様……」

「何故ここに!今、貴女は捕まっているはずです!」

「残念でしたね、ケイ・ルーン。今捕まっているのは、私の魔術の師匠であるレイヤード様が創った私よ」

「なんだと!」

「無事だったんですね、ミーナ様」

「はい!すみません、私が捕まってないのを知っているのは私と、レイヤード様だけだったんです。今はもう、レオニール様やクラーク様達にも報告したので」

「びっくりしましたよ」

「本当にすみません……レイヤード様にアルマン様やレオニール様には、言っておいてもいいんじゃないですか?て言ったんですけど……“敵を騙すにはまず味方から、と言う言葉があります”て言って……」


レイヤード様……。けっこういい性格してるのかも、俺と比べてもそんなに変わらないかもな……。

ミーナ様も、かな?


「そんな、まさか……そんなはずはない……。俺は、ミーナを手に入れたんだ!」

「私は誰のものにもなってない、レミールにかけている悪の精霊の術を解いて」


ケイ・ルーンは頭を手で抑え、顔を歪ませている。


「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ!ミーナが手に入らないんなら……もう何もいらない、そういらないんだ……勝手に死ねばいい」

「おい!待て!」


ケイ・ルーンは転移の術を使ったのか、どこかえ消えていった。


「うっうわーーーーーーーー!」

「レミール!」

「レミール様!」


レミール様を包む黒い物の色が、また一段と濃くなっていた。


「悠長に話している暇は無さそうですね、アルマン様、もうじきレオニール様やクラーク様達もここに来ます。とりあえず、早急に悪払いをします」




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