手掛かり~アルマン~
どうやって聞き出そうか……。
俺は今、王である父上が寝ている寝台の傍らにある椅子に座っている。
「ま、これは偽物だけどね」
そう……今、寝台で寝ている王はミーナ様が魔術で創った偽物だ。
あの日……精霊の粉というものを、王宮に持ち込んでいるのが分かった日、俺か父上が狙われていると分かり、ミーナ様が“それじゃ、王様の偽物を創りましょう”と言って創ったのだ。
そして、その日の父上の食事を調べると確かに精霊の粉が入っていた。
食事に入っていた量が少なかったため、長期に渡って食事に入れられていたと分かり、ミーナ様から解毒用の薬を貰い、今、本物の王様は別の屋敷で、王妃である母上と一緒に穏やかに過ごしている。
実は、母上の偽物も創ってもらっている。
「アルマン様……また、こちらにいらっしゃったのですね」
「えぇ……どうしても、心配で」
部屋に入ってきたのは、太陽の光のような金髪に同じ色を持つ瞳の、バイール王国第二王女であるレミール様だ。
今、俺はケイ・ルーンの術によってレミール様を恋人であり、婚約者だと思っている、ということになっている。
レミール様は、中へ入ってきて俺を後ろから抱き締めた。
「大丈夫です、きっと陛下は元気になります」
「……そうだな」
一応俺も、レミール様の手に自分の手を重ねる。
「さ、少し休んで下さい。リラックス出来るように、お茶をいれますね」
「ありがとう、君がいれるお茶はおいしいから嬉しいよ」
「では、参りましょう」
ーーーーーーーーー
俺はレミール様に付き添われ、俺の部屋へ入った。
「少し待っていて下さいね、今、お茶をいれてきますから」
「分かった……でも、早く戻ってきてくれ君がいないと寂しい」
「はい!分かりました」
レミール様は、頬を少し赤く染めて素早く去っていった。
ま、術にかかってるからこれぐらいしといても大丈夫だよね。
兄さんにも、少し呆れられてるし。
兄さんも、動き出したみたいだし俺も早くミーナ様の居場所聞き出して、ゆっくり休みたい。
すると、レミール様がお茶と軽食を乗せたワゴンを持って来ていた。
「お待たせしました。お食事を召し上がってないと聞いて、少しだけですが用意しました」
「ありがとう……ほんと、君にはいつも助けられてばかりだ」
「そんな、私は婚約者としてアルマン様を支えたいのです」
「君が俺の婚約者でよかったよ、さぁ……こっちにおいで」
俺がそう言って、座っているソファーの隣を叩いた。
レミール様は、お茶をテーブルに移して隣に座った。
さて、どう切り出そうか……。
俺が考えていると。
「……アルマン様、本当に大丈夫ですか?」
「あぁ……大丈夫だよ、少し考え事をね」
「考え事……ですか」
「君をこんなに独り占めしてていいのか……とかね」
「アルマン様……」
「君のご両親や姉であるミーナ様は、心配だろうね」
さらっとミーナ様の名前を出してみたけど……どんな反応するかな?
「そう……ですね、姉は……分かりませんが」
「ミーナ様と、仲が悪いの?」
「あまり、話したことがないんです。……でも、時々見かけて話かけようとしても、侍女達に止められていましたし、睨まれていました」
「ミーナ様に?」
「たぶん、羨ましかったんだと……私は両親や周りの者達から愛されていましたが、姉は……」
「そうですか……」
いや、きっとミーナ様はレミール様を羨ましがる事は無かったと思うな。
たぶん、兄さんと同じような方だから、夜会だったりそういう社交の場は、苦手なんだろうし。
むしろ、体を動かしていたいんだろうし。
ほんと、兄さんとミーナ様は似ているな……。
いつも自分を犠牲にして他人を助けて、無理をするんだから。
早くあの二人、くっつけばいいのに……そしたらミーナ様を使って、兄さんをからかって遊べるのに。
ちょっと変なところで切って申し訳ない。
なんか、思ったより居場所聞くのに時間がかかりそうです。




