手掛かり~レオニール~
まさか、ケイ・ルーンがこの事件の犯人だったとは……。
クラークの報告では、幼い頃にケイ・ルーンとミーナ様は会ったことがあり、ケイ・ルーンはミーナ様に一目惚れをして、その想いを今まで誰にも悟られることなく持ち続け、今回の事件を起こしてしまった……ということらしい。
これで、ミーナ様の居場所がルーン家の所有する家の中のどれかだということが分かった。
あとは、それがどれなのかが分かればいいのだが……。
とりあえず、俺は今、ブレンディア王国のルーン家に向かっている。
所有している家がどれほどあるかを調べるためだ。
ルーン家は、昔から王家との交流も深く……娘を嫁がせたり、逆に貰ったりなどをしていた。
魔力の強さからいっても、王家と比べても引けをとらないだろう。
もし、今の王家から後継者が出なければ、ルーン家から出すことになるだろう。
それほど、ブレンディア王国でのルーン家の地位は高い。
「着きました」
一緒に来ていたジェイクに声をかけられる。
俺が馬車から出ると、一軒の屋敷があった。
そこの門の前には、この家の主で現当主が立っていた。
俺達が来ることが分かっていたのか?
俺達は、なんの報せも出さなかったのに、現当主である男は、屋敷の前に立っていた。
「この度は、うちの愚息がご迷惑をおかけしているようで……本当に申し訳ございません」
そう言うと男は深々と頭を下げた。
外ではなんだからと、屋敷の中へ入る。
話を聞くと、バイールに住んでいるこの男の母であり、情報を提供してくれたマイリー・ルーンから、今回の事件の主犯がケイ・ルーンであると知ったそうだ。そして、今、自分達に出来る事は情報の提供だと言われたそうだ。
案内された部屋の中には、すでに地図が広げられていた。
「これは、我々ルーン家が所有する家を記している地図です。お役に立てばよろしいのですが……。」
「充分です。私達も今回はこれを見せていただくのが目的でしたので」
やはり、ルーン家が所有している家はバイール王国にもあり、しらみ潰しにしていても時間を無駄にするだけだと分かった。
とりあえず、この地図をバイール王国にいるクラーク達にも伝えるため、あらかじめこちらで用意して、持ってきていた地図に記していく。
でも、なぜこんなにも我々の捜査を手伝ってくれるのか……それを問うと、なんとマイリー・ルーンは前王妃……つまり、今の国王の祖母にあたる人と親友だったらしく、今回の事件も前王妃経由で伝わっていたらしい。
だからこそ、親友の息子が自分の孫のせいで倒れたのだと知り、協力したのだとか。
あと、バイール王家にも何か恩があるらしい。
それを聞き納得した。
「やっぱり、現段階ではしらみ潰しに当たるしかないですね」
「そうか……あとは、あいつが頑張って情報を聞き出せたら……」
うまく情報を聞き出してくれるといいんだがな……。
アルマン……あとは、お前が頼りだ。




