襲撃~レオニール~
「アルマンに会えないとは、どういうことだ!」
俺は今日一日の報告をしに、アルマンの部屋に来ているのだが……部屋の前にいた兵になぜか止められていた。
「アルマン様は、休まれると言って決して誰も入れるなとのことです」
「なんだと、アルマンは一人で休んでいるんだろ?少しの間だけだ」
「いえ、女の方と一緒に……」
「女だと!」
アルマンが、女と一緒にだと。
「その女は、誰か分かるか?」
「は、はい……バイール王国の、レミール様です」
「何!レミール様だと!」
「は、はい」
レミール様が、なぜブレンディア王国にいるんだ……。
とりあえず、アルマンに話を聞かなければ。
「ならば、なおのこと……アルマンに会わなければ」
「で、ですが、誰も入れるなと」
「俺はアルマンの兄でもあるんだぞ、それにレミール様がいらっしゃるなら、バイールにも報告しなければならないんだぞ!」
そう言って、兵と揉めていると……。
「何かあったのか?騒がしいよ」
「アルマン様!」
「アルマン、レミール様がいらっしゃるというのは本当か?」
「あぁ、いるよ。彼女は俺の恋人だし、婚約者だからね」
「なんだと?あれは、ミーナ様と接触するためのうそではなかったのか?」
「そのはずだったんだけどね……どうしても、レミール様を妻に迎えたいと思ったんだよ」
「だが、一言バイール王国にも連絡を入れなければならないだろう」
「あぁ、そうだったね……頼んだよ、兄さん」
そう言うと、アルマンは俺の右肩を2回叩いてまた、部屋へ戻っていった。
「レ、レオニール様?」
「……あぁ、すまなかった。俺も部屋にもどる、警戒を怠るな」
「はい!」
アルマンに、何か考えがあることが分かった。
とりあえず、さっきクラークからミーナ様も拐われたという報告も受けた。
バイールの騎士団のジーンは、自分が目を離していた時にやられたと言っていた……。
とすれば、犯人はあらかじめ夜会に潜入しミーナ様がお手洗いにいくのを見て、外から回り込んで転移の術で中へまた入った、ということか……。
「次から次へと……やってくれる」
ミーナ様……。
きっと、無事だろう……ミーナ様のことだ、犯人から色々な情報を得ようと、犯人に深く突っ込まなければいいが。
ミーナ様は、すぐに無理をしそうだ。
レミール様がこちらにいるから、レミール様と直接会うことはないだろう。
ミーナ様のことだから、また、誰にも気づかれぬように泣いてるかもしれない……。
「あーヤバイな……」
気づいたら、ミーナ様のことばかりだな……。
だが、今はミーナ様を助けることが先だ。
とりあえず、部屋へ戻ろう。
そう思い、俺が部屋まで歩いていると。
「レオニール様!」
「どうした?」
「カリム・イーベイが城まで来ていて、急ぎ知らせたいことがあると」
「カリムが?分かった。応接室に通しておいてくれ」
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「すまない、待たせた」
「いいえ、忙しいなか時間を割いてぐださりありがとうございます」
「いや、で、知らせたいこととは?」
「実は……アランとセインがいないんです」
「アランとセインが?」
「はい……。今は、陛下が倒れ私達学生は待機のはずなんですけど。朝、食堂に来なかったし、他の者に聞いてもしばらく見ていない、とのことで……」
「そうか……」
「私の思い違いだったらいいんですけど、あの二人もこの事件に関わっているのでは?」
アランとセインが……。
「分かった……。知らせてくれて、ありがとう」
「いえ、それでは私はこれで……」
「待て、カリム……、君にやってもらいたいことがある」
「はい?何でしょう?」
「お得意の情報収集だ。二人の部屋を調べてくれ、許可は俺がだす。何か言われたら、俺の名前を出していい」
「分かりました、精一杯やらせていただきます」
そう言って、カリムは部屋を出ていった。
そうか、あの二人も……。
全く、忙しくなるな。




