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襲撃~ジーン~

俺はジーン

バイール王国の騎士団の団長をしている。

といっても、団長になったのはつい最近だが……。


俺は元々、平民で……まぁ、近所じゃちょっと有名なワルガキだった。

町で商品の果物とかを盗んで食べてたりしてたし、本当に悪かった時は財布を盗んだりもしていた。

俺はまぁ、自分で言うのもなんだが頭が良かったんだと思う。

財布を盗んだりしてもバレたことはなかったし。


そんなことをしていたある日。

いつものように財布を盗んで、これで何をしようか考えていると急に腕を捕まれた。


「あなた、さっき財布を盗んだでしょ!」


腕を掴んだのは、漆黒の髪と瞳を持った同じ年ぐらいの女だった。


「あ?」

「返しなさいよ!」

「うわっ!」


女は俺の腕を肩にかけたと思ったら、足払いをして思いっきり地面に俺の体を叩きつけやがった。

その時に、手に握っていた財布も一緒に地面に落ちた。


「いってー……」

「返してもらうわよ、財布」

「……勝手にしろよ」


女は財布を持って、持ち主のところに返しにいった。

俺は次のターゲットを見つけるために、またフラフラ歩き始めた……が。


「待って!」


そこにはさっきの女がいた。


「なんだよ」

「あなた、なんで盗みなんてしてるの?」

「お前に言う義理はねぇよ」

「へぇーもしかしたら、あなたの力になれるかもしれないのに?」


何いってんだこいつ……。

もしかして……。


「俺のこと、知ってるんだろ。……なんのために、盗みをやってるのかも……」

「噂どおり、頭がいいみたいね。それに、さっき私があなたを地面に叩きつけたときも、痛みを和らげたでしょ?」

「知ってて、俺に近づいたのか?」

「まぁね……で、あなた、騎士団の試験受けない?」

「騎士団の試験?」

「そ、ちょうど明日なのよ。私も受けることになってるの」

「は?女のお前が?」

「女だからって騎士になっちゃダメっていうことはないでしょ?」

「まぁ、ないけど……」

「騎士になれば、あなたが面倒をみてる孤児院にも少しは力になれる事が増えるでしょ?」


そう、こいつのいうとおり……俺は自分がいた孤児院に寄付をしている。孤児院を出てすぐの時は仕事についていたが、上司と揉めて辞めた。俺が盗みをし出したのはそんな時だった。


「私と一緒に、試験……受けない?あなただったらすぐに、出世できると思うんだけど。騎士団は実力主義だから」


なるほど、それはいいかもしれない。

騎士団だったら、給料もいいからこれまで以上に寄付が出来る。


「分かった。受けるよ」

「じゃあ、これからよろしくね。私は、ミーナ……ミーナ・バイールよ」

「……」


ん?こいつ……今、ミーナ・バイールって言ったか……。

バイールって、今の王家以外にはいないよな……それに、ミーナ……もしかして!


「第一王女……なのか?」

「あれ?言ってなかった?」

「おまっ!王女が護衛も付けずに何やってんだよ!」

「あー、私なら大丈夫だよ。妹ならまだしも」

「?どういう、意味だ」

「私は、呪いの姫なんだって、だから今は城の離宮にいるの」

「呪いの姫?」

「あー……難しいことは明日でもいい?とりあえず今日は帰らないと」

「じゃあ、送る」

「いいよ、いいよ」

「あのな、一応姫であることにはかわりないんだからちゃんと自覚しろよ」

「変なの……でも、ありがとう」

「いや……」


お前の方が変だろ……近所でも有名なワルガキを騎士団に誘うとか。

翌日の騎士団の試験で俺もミーナ様も受かって、ミーナ様の城での扱われ方を始めて知った時は怒り狂った。

どれもこれも、ただの偶然だったからだ。だがミーナ様は……。


「私は、大丈夫」って言ってた。


それから、月日は流れて……ミーナ様は団長に、俺は副団長になった。ミーナ様は俺以外にも、色んな奴に声をかけて入団させていたらしい。


どうしようもないワルガキだった俺を、ちゃんとした仕事に就かせてくれたのも感謝してるし、孤児院にも。ミーナ様が、俺の名義で寄付をしてくれたことにも感謝してる。

これから、全力でその恩を返していこうと決めて俺はミーナ様の下に就いたのだ。


「遅い……」


今は夜会に出ている、ミーナ様の護衛をしていてミーナ様がお手洗いに行くと言うので、外で待っているのだが……遅すぎる。


「ミーナ様?」


ガシャン!


音がした時、とっさに中に入った!


「ミーナ様!」


中に入ると窓が、割られていてその割れた窓に、藍色に白い小さな花の刺繍がある布があり、今日の夜会でミーナ様が着ていたドレスの布だった。


「くそっ!」


俺はすぐに、クラーク様達と合流するために走った。

ミーナ様の無事を祈りながら……。




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