襲撃
「はー緊張した……」
私は今、お披露目の挨拶と懇意にしてる貴族への挨拶を終えて席に戻って休んでいた。
この夜会は基本的に立ちっぱなしだが、一応私も王族なので主催している貴族の隣に席が設けられていた。
「夜会っていっても、ブレンディアとそうかわらないだね~、ま、食事がちょっと違うみたいだけど」
「あ、やっぱりそうですよね。こっちで食べてたのがあっちで全然出てこなくて、ちょっと残念だったんですよね」
「そうだったの?言ってくれたらよかったのに」
「え?作ってもらえるんですか?」
「あれ、知らなかった?ミーナ様みたいに、国の王子とか王女とかも来るからある程度は何でも出せるんだよ」
「へぇー知りませんでした。帰ったら頼んでみますね」
護衛として、クラーク様とバイロン様、あとジーンが私が座っているところの後ろに立っている。
レミールも犯人の仲間になっているので、バイールでも襲われないとは限らないからだ。
「……あれ?」
「どうかしましたか?バイロン様」
「いや……僕の勘違いかもしれない……」
「小さなことでも異変があれば教えてくれ」
クラーク様から言われたあと、少し戸惑うように
「ここに、アランとセインがいる」
「え?二人はブレンディア王国にいるんですよね?」
「そのはずなんだけど……僕がこの屋敷の玄関に仕掛けた魔力探知が……反応したんだ」
「まさか、何だって二人がここに来なきゃいけないんだよ。団長からも何も聞いてないぞ」
「……」
それから、バイロン様は考え込んでしまった。
アランとセインがここにいる?
私は、会場を見回してみたがそれらしい人はいなかった。
「とりあえず、俺は一応屋敷を見て回ってくるかな」
クラーク様が言うと、バイロン様もついていくと言って二人で見回りに行き、ジーンだけになった。
「大変ですね、姫様」
「そうだね、まさかこんなことになるなんて思ってもみなかった」
「そうでしょうね、命を狙われていながら夜会にも出なきゃいけない。そして、その事件も解決しなきゃならない……ほんとミーナ様はすごいですね」
「そう?わりと楽しいよ」
「あー……こっちで騎士団の団長しながらも、離宮に引きこもってる姫をやってたときも、そんなこといってましたね」
「そうだっけ?」
「そうですよ。ま、俺達騎士団は女だから剣が振れないとか言ってる姫より、一緒に朝から晩まで剣を振ってくれるような人が、団長であり俺達が守るべき姫様でよかったですよ」
「なに、急にびっくりするじゃない。それに気持ち悪いよ」
「ま、騎士団はミーナ様に感謝してるってことです」
「そっか、こちらこそこんな小娘に着いてきてくれてありがとう」
「その気持ちがあったなら、もう少し書類は早く片付けてほしかったですけどね」
「……ごめん」
「いいですよ」
ジーンとそんな会話をしてリラックスしたのか、お手洗いに行きたくなってジーンに言ったら着いてくるって聞かないから、お手洗いの前で別れた。
ーーーーーーー
「ふー、やっぱり緊張してたんだっ!!」
手を洗いながら、そんな独り言を言ってると急に背後から伸びてきた手に口元を押さえられた!
鏡を見てみると……そこには、アランとセインがいた。
「静かにしててね、ミーナ」
まさか、本当に二人がここに来てたなんて!
「少しの間眠っててね」
「うっ!」
私の鳩尾にセインの拳が綺麗に入っていた。
意識が薄れていく中で、最後にみた二人の顔は……とても悲しそうだった……。




