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精霊王

「それじゃあ、行きましょうか」

「ここから……行くの?」


私とクラーク様は、城の私が以前暮らしていた離宮の裏手に来ていた。

私も……改めてみると、よくこんなところ通ろうとしたなと思う。一番端の離宮だし、当たり前だと言われると当たり前だけど蔦やら、草やらが生えっぱなしで薄暗く日もあまり当たらないからジメジメしてる。そこに出来ている壁の穴から、精霊王のところに行くのだ。


「前に私も聞いたんですけど、まさかこんなところが精霊王の元に繋がっているとは誰も思わないから、誰も来ないと思ってたんですって」

「……まぁ、分からなくもないけど~」

「とりあえず行きましょう」


私達はその穴をくぐる。

そして穴をくぐった先の景色は、楽園だった。

美しく澄んだ湖、季節には関係なくいつも美しい花が咲き乱れ気候も穏やかなここが、精霊の王が住む場所。


「さて、精霊王ー、お久しぶりです。ミーナです。今日は謝罪と聞きたいことがあって来ました」


すると、目の前の湖が震えだし湖から現れたのは、美しい城だった。


「入るがいい」


低く、渋めの声が聞こえたかと思ったら、目の前の城の門が開いた。

私達は、その門から中へ入り、中にいた精霊に案内され王のいるところへ行った。


「久しぶりだな、ミーナ。ブレンディア王国へ行っていたと聞いたが、戻ったのか」

「お久しぶりです。精霊王。今回はブレンディア王国で起こっている事件に精霊が関わっていたようなので、戻りました」


精霊王は、真っ白な裾が床に付くぐらい長い服を着ていて。真っ白な髪は肩に付くぐらいで、金の瞳をしている気品溢れるおじいさんだ。


「その者は、ブレンディア王国の者か」

「初めまして精霊王。ブレンディア王国第一騎士団所属のクラークと言います」

「ふむ、さて……話を聞こうか」

「はい。今、ブレンディア王国で人がクリスタル漬けにされる事件が起こっています。被害に遭った人達は、魔力の高い女性ばかりです。その調査に出たところ、クリスタル漬けにされた人のところに精霊がいて、話を聞きました。……そして、その犯人の中に……私の妹がいるかもしれないということ、話を聞いた精霊達の仲間が、犯人に捕まっているということが分かりました」

「……そうか、確かレミールと言ったな」

「はい……」

「近頃、その者の中にあるワシの力が変化していたから、気にはしていたのだがな……」

「力が変化した?」


クラーク様が疑問に思ったのも無理もない、人の持つ力はそうそう変わらない。それが変わるのは……悪に堕ちてしまうときぐらいだ。


「あの者は、元々あまり綺麗な者ではなかったのだ。だからこそ、精霊をみることはできても精霊から力を借りることはできないのだ」


ずっと疑問だった。私は精霊と言葉を交わしたり、力を借りるこてができるのに、レミールは見ることしかできないことが……。


「それと、報告によれば精霊の粉が隠し場所からなくなっているらしい」

「隠し場所が見かったんですか?」

「それは分からん……だが、確かに無くなっているらしい。どんなことに使っているかは知らんが……あれは人間には猛毒だからな」

「まさか、誰かが殺すために使ったと?」

「分からん、ブレンディア王国の王宮に住む精霊が言うには王宮に粉が落ちていたらしい」

「!!」

「まさか!ブレンディア国王が、狙われて?」

「とりあえず、ワシのところにきている情報はこんなものだ」

「ありがとうございました。クリスタル漬けは、精霊の力で解けますか?」

「大丈夫だろう」

「分かりました。捕まっている精霊達を早く解放できるよう、頑張ります」

「あぁ、こちらでも何か分かれば使いを出す」


そして、私達はまたバイールの城へ戻りレイヤード様達と合流した。



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