レミールの闇2
そして、私が表面上はいい王女をしながらミーナへの憎しみを募らせる日々を送っているときだった。
「貴女がレミール・バイールですね」
「誰です!?」
昼食を終えて、部屋で本を読んでいたとき……あいつはやってきた……。
「申し訳ありません、名乗るのを忘れていました。私はケイ・ルーンといいます。」
「それで?何故ここにいるのですか?理由によっては騎士を呼びますよ」
「流石、一国の姫ですね。肝が据わっていらっしゃる」
なんなのこの男、突然現れた男は藍色の髪に紺色の瞳をした綺麗な男だった。
ま、シチュエーションがおかしいけど……。
「質問に答えてくださる?」
「あーすみません、実は貴女と取り引きをしようと思いましてね」
「取り引き?」
「悪い話ではないと思いますよ?貴女は王妃に、俺は欲しいものが手に入る」
「……どういうこと?」
ケイ・ルーンから詳しい話を聞いた。
この男、ブレンディア王国でも有名な家の出らしい。魔力もけっこう強いのだとか……。そして、今、ブレンディア王国で密かに計画されている、ミーナをアルマン様の妻にするということも聞いた。今のブレンディア王家の信頼の厚さも聞いた。
「ほんとに、アルマン様を失脚させずに私を王妃にできるというの?」
「できますよ、もう計画は始まってます。王にはずっと毒が入った食事を食べていただいているので、もうじきお倒れになるでしょう」
「!そんなことして、大丈夫なの?」
「えぇ、誰にもバレませんよ……精霊以外にはね」
「どういうこと?…………まさか!」
「そのまさかだとしたら……どうしますか?」
「精霊の粉をどうやって……そっちにも“縁ある者”がいるの?」
「まさか、それは君と君の姉姫しか持たないものです。ただ、その精霊が粉を隠しているところが分かっただけですよ」
精霊の粉は、精霊が見える者であっても見つけるのが難しいもので、その粉をあびれば“縁ある者”と同じような力を身に付けることができる。
それを見つけるなんて……。
「さて、どうです?大国の王妃に成れるんですよ?」
「私は……」
「君の姉姫よりも、大きな力を手に入れられますよ」
「まぁ……悪くないわ」
「それじゃ、契約成立ですね。これからはレミィと呼んでもいいでしょうか?」
「勝手にして……で、私は何をすればいいの?」
「精霊の居場所を見つけて、命令して欲しいんです。人間をクリスタル漬けにしてくれるように……ターゲットは魔力が高い、女にしてください」
私はケイと契約をした……。
してはいけない契約だったのかもしれない、でも……私は契約をした。もうあとには戻れない。
…………ミーナには渡さない。ブレンディア王国の……アルマン様の隣を歩くのに相応しいのは、私よ。
そして私は、ケイとバイール王国を出た。
誰にも知らせずに……。
精霊の粉は、ちゃんと処理せずに人間の体内に入ると毒になります。人間と精霊は違いますからね~。




