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レミールの闇

「全く!みんなしてミーナ、ミーナ……真実を知るまでミーナになんて、寄り付かなかったくせに!」


ガシャン!


私は手近にあった、カビンをなげた。

すると、複数の足音。


「レミール様!いかがなさいました?」

「ごめんなさい、手を滑らせてしまって……」

「まぁ、お怪我はございませんか?」

「無いわ、大丈夫よ」

「それではすぐに片付けますね」

「本当にごめんなさい」

「大丈夫ですよ、レミール様」


そう言うと、侍女達は片付けを始め瞬く間に、部屋は元通りになった。


「それでは、また何かありましたら声を掛けてくださいね」

「えぇ、ありがとう」


侍女達が帰った後も、私のイライラは止まらなかった。




私はバイール王国の第二王女、父親譲りの太陽の光のような髪は腰の辺りまであって、緩くウェーブがかかっている。

バイールでは女神だと、言われたりしてる。


そんな私には、真っ黒な髪と瞳を持った姉がいる。

名前はミーナ。私達は双子だけど全くにていなかった。

誰もが“呪われた姫”だとミーナを言っていた。

それが覆されたのが、この前だ……東の大国であるブレンディア王国から突然、私とブレンディア王国の第二王子で次期国王のアルマン様との縁談が持ち込まれたのだ。

私はとても嬉しかった。ブレンディア王国のアルマン様を知らぬ姫はどこにもいない。それほど、容姿も優れ文武両道そしてなにより、大国の次期国王とくれば目をつけない訳がない。

もちろん、バイール側はすぐに了承した。


そのあと、顔合わせとしてアルマン様とその近衛騎士団の人達が来た。騎士団の中には、ブレンディア王国の第一王子のレオニール様も来ていて、レオニール様もアルマン様とはタイプが違うイケメンで、他の騎士団の皆様もとても見目麗しい方々ばかりだった。

だけど……私はやっぱりアルマン様のような、私を大切にしてくださる方のところへ行きたいし、大国の王妃にもなりたかった。

ま、遊び相手なら……いいかもしれないわね。


ところが……街が襲われたことで事態が急変した。


ミーナが精霊の力を使って、街を修復した?怪我した人をこれまた精霊の力を使って治した?ミーナには力があるから、ブレンディア王国の学院に通わせる?なんなの!精霊なら私だって見ることができる。ただ、ミーナは精霊の力を使えるけど……私は全く使えないだけじゃない!目的は最初からミーナだった?今回の婚約は白紙って……だったら私はなんだったの?


小さい頃から、不自由はしなかった。周りには私を褒め称える人ばかり……父様も母様も私を溺愛して、私のわがままはだいたいなんでもやってくれた。姉であるミーナには、侍女達はもちろん他の誰もが関わろうとはしなかった。だけど、父様はミーナの様子を部下に調べに行かせていた……。それに、ミーナが騎士団に密かに入ったことも調べさせていたから知っていた。

実は、私も知ってた。ミーナが騎士団の団長をしていることを……。偶然見てしまったのだ、楽しそうに騎士団の人達といるところを……。私は羨ましく想ったのだ。私は毎日毎日、一国の姫であるが故の教育を嫌でもしなければいけないのに、ミーナは毎日毎日楽しそうに、剣を振っている。

どうして、私は毎日やりたくもないことをやらされて作り物の笑顔を張り付けて頑張っているのに、ミーナは自然に笑って、毎日楽しそうに過ごしているの?


それからだった……ミーナがアルマン様達と国を出ていったあと、ミーナへの羨望が憎しみに変わったのは……。




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