バイール王国の過去
昔、まだバイール王国ができて間もない頃
華の痣を持った姫が産まれました。
その痣は、姫が成長するに従い色濃く、鮮やかになっていきました。
それとともに、姫のまわりで奇妙な事が起こるようになりました。
姫が水を飲もうとコップを持とうとするとヒビが入ったり、姫が怒ったりすると、まわりに居た者達が吹き飛んだりと、いうことが起こるようになりました。
それに危機感を覚えた国王は、姫の住まいを離宮へ移しました。
そして、この国で唯一、魔術を使える宰相に相談しました。
“それは、魔力の暴走でしょう。姫様のあの痣はきっと、魔力を抑えるためのものだったのでしょう。これから姫様には魔力をコントロールできるように、修行をしていただきます。”
それから、姫は魔力コントロールの修行をして、また普段通りの生活を送れるようになりました。
そんなある日、姫の魔力を狙う者達が現れました。
バイール王国は、姫の力を狙う者達の襲撃を受け、壊滅寸前にまで追い込まれていきました。
バイール王国の騎士達は疲労し、国の人々は恐怖に怯え暮らしていました。
その状態が半年も続き、国王は頭を悩ませました。
ですが……
“お父様、私はこの国の人々が好きです、この国が好きです。だから……これ以上皆さんが私のせいで傷付くのを見たくはありません。”
姫はその力を使い、国を守りました。そして力を使い過ぎた姫は、病に伏しました。
“今後、もし私と同じような力を持った者が産まれたら、まわりの者達を傷付けさせぬように、私と同じ悲しみを受けることのないようにしてください。”
そういうと姫は静かに息をひきとりました。
それからこの話は、代々のバイール王国国王のみに伝えられ、その他には、呪いの姫として、噂が流れるようになりました。
ですが、華の痣を持った者は誰1人として不幸になった者はいない。




