決戦
私の右肩からは、傷は浅かったらしく出血はそこまでしなかった。
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫ですよ、出血もそんなにしてないですし」
「それは、良かったです。だが、ケイ・ルーンのあの姿は?」
「悪の精霊に体を乗っ取られているのだと思います。このままだと、ケイ・ルーンは理性を失って、ケイは……死んでしまう」
元が精霊王だったために、とても力が強い。
ケイを乗っ取るのも、そう時間はかからないだろう。
そうなると、本当にケイ自身を殺さなければならない。
「時間はそこまでなさそうですね、光の精霊!」
光の精霊を呼ぶと、私の前に淡い光に包まれた小さな人がいた。
「光の精霊王を呼んできて、ついでに今のこの状況を説明してもらったら助かる」
「了解でーす。我が主」
「あなたは、私に力を貸してくれる?」
「了解でーす」
「ミーナ様、どうするつもりですか?」
「とりあえず、ケイ・ルーンから悪の精霊を切り離します。そのためには、術式を描かなければいけないんですけど……」
「では、時間稼ぎをすればいいんですか?」
「……本当に、切り離せるか分かりませんがやってみる価値はあります」
「それでは、いきましょう」
言うと、レオニール様はケイに向かって走っていった。
「こっちだ!」
「レオニール・ブレンディア……」
「そうだ、俺がブレンディア王国第一王子であり騎士団長をやってる」
「第一、王子……」
レオニール様を認めた瞬間、ケイから黒いモノがとびたして、レオニール様に向かって伸びていった。
それを、剣で受けながら適度な距離を保ちつつケイの注意を私から逸らしていった。
そして私も、注意を逸らしてもらっている間術式を床に描いていく。
本当にケイ・ルーンから、悪の精霊を出せるか分からない……出すには、ケイ・ルーン本人の体力と精神力がいる。
誰か、ケイを繋ぎ止めておける人がいれば……。
あれ?
そういえば、アランとセインは?
私が辺りを見渡すと、ケイが悪の精霊に乗っ取られた際、端の方に飛ばされたのか二人は端の方で倒れていた。
二人が倒れている方にレオニール様と、ケイが向かっていた。
あれじゃ、巻き込まれる!
「レオニール様!そっちはダメです!」
レオニール様は、ケイに集中しているからか気づかない。
考えている暇は、ない……。
私は、アランとセインへ向かって走った。




