② 聖地巡礼
さて、卒業試験の内容だが、聖地巡礼である。魔界の聖地巡礼とは人間界による地獄巡りである。
世界各地の地獄を巡り、生き残った者、途中棄権せず最後まで課題をクリアした者だけが合格となる。勿論、試験は何回でも受けることは可能だが一発で合格するものは稀である。開校から15000年経った我が校でも一発合格者は僅か4名にすぎない。
これは各国の地獄を巡る旅で、例えば日本でいうと賽の河原で集合し、閻魔様の許可を貰って地獄を巡る。アラビア方面ではジャハンナムと言う地獄、西洋では人間界でお馴染みのダンテの神曲に出てくる地獄と様々な地獄があるが、これをくまなく見て回る。所々で課題も出されるから要注意だ。
間違って鬼や悪魔に罪人と間違われて血の池地獄などに放りこまれたりする。これで適切に対処できなければ減点対象だし彼らに対して力業で困難を乗り越えなければならない時もある。地獄の獄吏たる彼らに力業で勝てないのでは話しにならない。
一発で卒業というのは限りなく難しいことだが、毎回地獄巡りをしていると、段々と傾向と対策がみえてくる。但し、試験官側もそれは分かっていていろいろバラエティーに富んだ課題が出てくる。運が良ければ事前に対応していた課題だったり、過去に受けた課題に類似したものだったりする。運も味方にするにこしたことはない。
見事この試験を突破した者だけが卒業となるわけだが、勇気を持ってこの試験に挑み卒業を勝ち取って貰いたいと切に願っている。
さて、2025回の卒業試験だが、スタートは日本から始まった。集合場所は賽の河原だ。諸外国の妖怪も含め多くの者が集まった。