プロローグ
ここは妖怪学園。あまたの妖怪の秀才が揃うエリート校。最近では国際交流も盛んで、海外からの留学生も多数受け入れている。そんな妖怪学園のメインはこれ『卒業試験』。一発合格なら、神仙になれるという極めつけ。優秀な先輩方が長年血の滲むような努力をしても開校から一発合格したのはたった4人。しかもこの試験、7年に1回しか行われない。受験資格は3年生から。
妖怪学園は1年生から100年生まで立派な妖怪になるため研鑽を積んでいる。ここを卒業すれば各部族の重鎮、貴族、王族、神仙等、誰もがうらやむ未来が約束される。それ故、妖怪学園には入学時に厳しい選抜試験が課されている。その狭き門をくぐり抜けた者だけが卒業試験に臨む事ができるのである。
妖怪学園は魔界にある。魔界とは人間界と密接に関係しているのだが、人間界では魔界の様子は全く見えないし、知られていない。魔界からの一方通行で両者は成り立っているのである。たまに人間でも魔界に感づく者もいるが、彼らの祖先に魔界の者の血が混じっているせいだろう。
残念ながら魔界と人間界の時間の流れが違うため、魔界と人間界を行き来している者達の間でも数百年の齟齬が生まれるなんてことはざらにある。
さて、話を戻そう。これは魔界学園卒業試験第2025回目のエピソードを取り上げた珍しい話である。これを読んで今後の卒業試験の一助になればと思っている。
諸君、健闘を祈る!
第2025回卒業試験合格者 ハワード・ピリス
新連載始めました。不定期に投稿いたしますがご了承下さいませ。どうなるかは私にも分かりません。どうぞ宜しくお願いします。