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ひつじ小説

ひつじのふわふわお布団

作者: リィズ・ブランディシュカ



 色々な動物達が住む、小さな町の中。


 商店街の一画にあるのは、小さなお布団屋さん。


 そこではひつじの店員が、毎日一生懸命にお布団を作っていました。


 そのお布団屋さんのお布団は、とってもふわふわ。すぐに眠れると評判のお布団です。


 ですから遠くの町からも、多くのお客さんがやってきていました。


 しかし、やってくるのは健康なお客さんばかりではありません。


 眠れなくて困っている、不眠のお客さんもいます。


 そういったお客さんも、ひつじのお布団屋さんのお布団で寝ると、すぐに眠る事ができました。






 だから、その日も不眠に悩む熊のお客さんがやってきていました。


 目の下に大きな隈を作ってふらふらです。


 頭もふらふら、体もふらふら。


 今すぐに眠らないと大変な事になってしまいそうでした。


 けれど、お布団屋さんの予約はたくさん。


 大評判なので、できるまで数か月もかかってしまいます。


 不眠のお客さんはがっかりしてしまいましたが、ある兎のお客さんが声をかけました。


 そのお客さんは、できたばかりの布団を「どうぞ」と言ってさしだします。


 熊のお客さんはびっくり。


 何か月も待ったお布団なのに、「他の動物にあげてもいいんですか?」と聞きました。


 すると、「本当に必要としている動物に渡るなら、このお布団も本望でしょう」と答えが返ってきます。


 熊のお客さんは大喜び、感動しながらそのお布団をもって家に帰っていきました。


 その夜、熊のお客さんはひさびさに、ふわふわのお布団でじっくりと眠る事ができるようになりました。


 本来お布団を受け取るはずだったお客さんは、後でその話を聞いてにっこり。






 しかし、その話はそれだけで終わりではありません。


 その事を聞きつけた動物達が、自分のおふとんの綿を少しずつわけて、兎さんにプレゼントしました。


 一人のわたの量はほんの少しですが。その数が何百になると、お布団一つ分にもなります。


 そのたくさんのわたが集まったおかげで、兎のお客さんもすぐにふわふわのお布団で眠れるようになりました。


 その日の夜は、ぐっすり眠れたそうです。


 それ以来、ひつじのお布団屋さんでは、眠れない動物のために予約の順番をかわってあげたり、お布団のわたを少しずつ分けてあげるでき事が増えていきました。



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