ツイてない日
先週は申し訳ない。
とりあえずやるべき事がだいたい終わったので更新再開です。
クソ、クソッ。
はやく出てこい。
畜生。
テメェをぶち殺してやる。
自身の腹に刃物を突き立て、縦に裂く。
ぐちゃり、とこぼれ落ちた内臓を引っ張り、奴を探す。
どこだ。
どこだ。
どこだ。
どこだ。
どこだ。
腹の中が空になっても見つからない。
どこにも、居ない。
『残念だったね。そこに私はいないよ』
声の聞こえた頭上を見ると、大きな丸い月が笑っていた。
「ッ!?…チッ、またか」
「ユウキ様、どうかしましたか?」
「いや、変な夢見ただけだ。気にすんな」
「そうですか…」
帰りの馬車の中で飛び起き、周りの部下たちに心配された。
恥ずかしいからこっち見ないでくれ…
最近どうにも夢見が悪い。
夢の内容をはっきりと覚えている訳では無いが、漠然と『とても嫌な夢』ということはわかるのだが…
そのおかげで最近は寝不足だ。
こうやって馬車酔いしているのにも関わらず眠ってしまうくらいには睡眠時間が足りていない。
そして、その夢の内容を少しでも思い出すと…
「…うぶっ」
「ちょっ!一旦馬車を止めろ!ユウキ様が吐くぞ!」
夢の光景が馬車酔いにプラスして、壮大な吐き気を催した。
馬車内はプチパニック状態で、空いた器やら何やらを取り出す部下たち。
「ま、まて…大丈夫だ。治まった」
水を飲み、窓の外に身を乗り出して遠くを眺める。
肺いっぱいに新鮮な空気を取り込み、肺を絞るように空気を吐き出す。
本来ならメレス製の酔い止めを飲んで馬車に乗るのだが、補充を頼むのを忘れていて、先程の特攻で無くなってしまったのだ。
クソっ…
なんか最近上手くいかねえな…
「あああぁ…ただいまニアぁ…」
「にゃー?」
ベッドの上で毛繕いしている愛猫を撫で回し、キレられて手を引っかかれた。
お前もなのかニア…
「せんぱーい、いますかー!」
返事をして扉を開けると、そこには外出用の服を着たツムギがいた。
「今日はお疲れ様でした。その、帰ってきて間も無いですが、ヒューズ国まで道中の護衛を頼んでもいいですか?」
「ああ。いいけど少し待っててくれ。酔い止めをメレスに貰いに行ってくる」
「ありがとうございます。城門付近で待ってますね」
「…マジで?」
「まじで。今日の戦いで負傷者を治療した時に酔い止めの材料に使ってる薬とかも沢山使ったからね」
なんと、酔い止めが作れないらしい。
材料を仕入れるのに1日以上は確定でかかるとの事。
「仕方ない。気休め程度だが、軽く持続治癒の魔法でもかけておいてやろう」
アンソルスの魔法で少し気分は良くなったが…
本当にツイて無いな…




