昼食
投稿頻度を上げるとか言いつつ、寧ろ落ちてます。
もっと頑張ります…
今回は魔王城にいるツムギ視点です。
「はい…分かりました。他に報告はありますか?…えっ、先輩が体調を崩した?…多分乗り物酔い、ですか。お大事にと伝えておいてください。はい、それじゃあ気をつけて下さいね」
とりあえず全員無事に帰還できそうで何よりですが…
メレスのお母さんを救出する時に大暴れしてきた、なんて…
顔は見せてないし魔王国の工作員というのも悟られてはいないはず、と言ってはいたけど…
万が一のことに備えて対策を考えておきましょう。
ぽーん、ぽーん
12時…もうこんな時間ですか。
時間が無くて朝食を抜いたので、そろそろ食べないと仕事どころじゃなさそうですね。
いつもより少し早いけど、今から昼食に…
「魔王様、お客様です」
しようとしていましたが、そうでした…
今日は隣国からのお客様が来るのでした。
…仕方がありません。
紅茶とお茶菓子で我慢しましょう。
ーー数時間後ーー
はぁ…疲れました。
今回の会談は100%完璧とは言えないけど、それなりに良い結果にはなった。
まぁ、それは置いておいて…
「お腹がすきました…」
先程までの会談中も最後の方は集中力が切れそうだった。
なんとか気合いで乗り切ることは出来たけども、そろそろ限界です。
でも、この時間に食べたら夕食が入らなくなってしまう…
「…どうしましょう」
ガチャッ
「ツムギちゃん、お疲れ様ぁ」
「ゼラン…すみません、今死にそうなので放っておいてください…」
「あらぁ、残念。サンドイッチ作ってきたのにねぇ」
「!?」
部屋に入ってきたゼランの手には小さめのサンドイッチが乗ったお皿。
「まま、待ってください!食べます!」
「うふふ、はいどうぞ」
「いただきます!」
渡されたサンドイッチを頬張る。
レタスとハムを挟んだシンプルなサンドイッチだが、こういうのが1番ちょうど良い。
「朝から何も食べて無さそうだったから、軽くつまめるものを作ってきたのよぉ」
「おいひいれす!」
「それはよかったわぁ」
あっという間に平らげてしまった。
満腹ではないが空腹でもない、というこの時間にちょうど良い状態。
「ふぅ、助かりました…ありがとうございます」
「いいのよぉ。魔界を統べる貴方が餓死なんてシャレにもならないわぁ」
「そ、そうですね…気をつけます」
紅茶を1口。
お腹が落ち着いたところで、明日の分の仕事に手をつけようとすると…
「あぁ、そうそう。本題なんだけど、居るわよぉ」
「…」
「食堂の裏口からキャンバーレ国産の煙草の葉が見つかったのよぉ」
これよぉ、と言って取り出したのは小瓶に入った毛髪の塊のようなもの。
よく見ると、細く刻んだ煙草の葉をまとめたもののようだ。
魔王国とキャンバーレ国に関わりはほとんど無い。
煙草の輸入もしていないから魔王城内どころか、この国に煙草があるはずがない。
つまり、他国から誰かが侵入した可能性が高い、と…
「キャンバーレとの交易でタバコを輸入してる国でかつ、細刻みタバコを好んで使用する国と言えばぁ?」
「レイズ、ですか」
「正解よぉ。そしてレイズに住んでる種族といえばぁ?」
「…白狼族?」
「またまた正解よぉ。じゃあ、この国にいる白狼と言えばぁ?」
「先、輩…?」
「うふふ、大正解よぉ」
「まっ、て…まってください!先輩は…!」
そんなはずがない。
先輩は私に協力してくれると約束したし…
「甘かったわねぇ、本物なのかも分からない子の口約束を信じちゃうなんてねぇ」
「だって…あれは本当に先輩で…!」
「証拠はぁ?顔も違う、声も違う、そもそも性別も違う。人の心を読む力くらいならやろうと思えば人にも習得はできるし、話を合わせているだけかもしれないのよぉ?」
「で、も…」
言われてみれば。
生前の話を振るのはいつも私からの気が…
そして先輩は生前の話をあまりしようとしない。
それなら…先輩は…?
「…うふふ、なーんちゃって!冗談よぉ?あの子は本物のユウキちゃんよぉ。本物のネムちゃんがそう言うんだから間違いないわぁ」
「…」
「驚きすぎて固まっちゃったのかしらぁ?…え、ちょっと、な、泣かないで!悪かったわぁ!」
ーー数分後ーー
「次そんなタチの悪い冗談を言ったら本気で怒りますからね…」
「よしよし…ごめんね、ツムギちゃん」
危うく何も信じられなくなるところでした。
今1番の心の拠り所である先輩が偽物だったなんて想像もしたくない。
「でも、この煙草の葉が落ちてたのは事実よ。何者かが侵入して、何かしらの行動を起こしているのかもしれないということは言っておくわ」
「…分かりました。メイドの皆に城内で怪しい人を見なかったか聞いてみようと思います」
侵入者なんて、今まで先輩以外にはいなかった。
国自体がだんだん大きくなってきて、そろそろ他国から警戒され始めているのかもしれません…
衛兵の皆に警備の強化をお願いしておきましょう。




