脱出
ダン!ダダン!ダン!
「なぁ、メレス」
「はぁ、はぁっ!何っ!?」
「いや、こんなに人いるとは思わなかったなーって」
「僕もだよっ!!」
「お前たち…無策にも程があるだろう…」
ダダダン!ダダン!
暗い森の中で銃声が鳴り響く。
施設を出た俺たちは、目を疑った。
そこに集まっていたのは目測約100人。
全てが武装していて、施設全体を囲んでいた。
そりゃあ正体不明の奴らが施設を襲撃したら大事にはなるけど、100人はやりすぎじゃないか?
唖然とする俺達を見たリーダー格と思われる者が一言。
「我が国の秘密を知った者は例外なく死んでいる。貴様らは一切の温情なく、過酷な拷問の末に殺されることをここに宣言しよう」
うわー…怖。
リーダー格の男を含め、そこにいる全員の様子がおかしい。
まるで何かに操られているかのように虚ろな目でこちらを見ている。
「ほう…?洗脳魔法か」
「洗脳魔法?」
「ああ、名前の通り、魔法をかけた人間を自由に操ることが出来る魔法だ。ふふっ、国王はどうしても余を逃がしたくないようだな」
笑ってる場合か。
「どどど、どうするんだい?」
「さっきも言ったが、強行突破だ。合図出したら真っ直ぐ走り出せ」
ゆっくりと近づいてくる大勢の兵士たち。
「3、2、1…行け!」
走り出した2人の前に立ち塞がる兵士達の頭を撃ち抜いていく。
バタバタと倒れていく人間を飛び越え、森の中に飛び込んだ。
森の中での逃走中、フラッシュバンを転がしたりしてみたが、効果は見られなかった。
奴らには自動追尾機能でもついているのだろうか?
大通りに出ると約束通り、ネムが馬車で待機していた。
「ネム!早く出せ!」
馬車に転がり込み、後方を見る。
城の衛兵たちはが30mほど先に見える。
「全員いますね!じゃあ行きますよ!」
ユーリが嘶き、走り出した。
走っていた衛兵たちはぐんぐんと引き離されていく。
俺は馬車の上にのぼり、M4カービンを構えた。
街の門に近づいてきたところで後方から騎馬隊が登場した。
「ユウキさん!まずいです!門が閉じてます!」
「あぁ!?」
俺たちの行動が伝わっていたのか、いつもは開いているはずの門が閉じられていた。
ここで止まれば挟み撃ちになる。
…それなら、決まっているだろう。
「ユーリ!ビビッて足を止めるんじゃねえぞ!」
俺は膝をつき、RPG-7を構えた。
撃鉄を起こし、セーフティを外して、片膝を着く。
引き金を引くと大きな音が鳴り響き、木製の大きな門が吹き飛んだ。
「突っ切れ!」
ユーリは辺りに飛び散った燃える木片にも恐れずに門を突っ切った。
「ユウキ君!近づかれてる!」
「おう!」
こちらには馬車という重いものが付いているので、単騎の馬の速さに勝てるはずは無い。
揺れる馬車の上で意識を研ぎ澄ませて、騎兵を撃っていく。
あとはユーリの体力が尽きないことを祈りながらこの馬車を防衛するだけだ。
ダン!ダンダンッ!




