コラル
もう12月かぁ…
「商人証明書を」
「ん」
「…確認しました。どうぞ」
偽の商人証明書を提示し、コラルに侵入した。
門をくぐると、大きな市場が広がっていた。
野菜や肉、雑貨や日用品まで幅広く売られており、とても賑わっている。
「えっと、これどこに行けばいいんですか?」
「えっとね、まずは僕たちが拠点にする家からかな。案内は僕がするよ」
メレスが案内した場所は、街から少し離れたぽつんと立っている一軒家だった。
「こんなに大きな家使ってもいいのか?」
「うん、今はもう誰も使ってないはずだから」
小さな馬小屋にユーリをいれた。
ネムはユーリの首を撫で、持っていたにんじんを食べさせている。
「ユーリ、お疲れさまでした。ユウキさん、メレスちゃん、先に行っててください。私はユーリのお手入れをしますので」
そういってネムは井戸の方に水を汲みに行き、俺とメレスは家の中に入った。
「長い事手入れされてなかったみたいだな、埃だらけだ」
「んーっ!久しぶりの我が家、懐かしいなぁ」
「…え?」
「ん?」
ごく自然にそう言われて流しそうになったが、今我が家って言ったよな。
「ああごめん、言ってなかったかな。僕は元々コラル生まれで、ここに住んでたんだよね。まぁ色々あって現魔王国に逃げてきたんだけど」
そう言うメレスの顔は少し寂しそうだ。
何故逃げたのか、と聞くのはなんとなくやめておいた方がいいと判断し、何も言わず箒を手に取った。
さあ、この汚れきった家を綺麗にしよう。
~~1時間後~~
「げほっ、げほっ!」
家具を外に出してから家の中の掃除に取り掛かったが、何年間放置されてたんだこの家。ってくらいの量の埃にまみれており、リビングの床にはよくわからない黒いシミ、壁にかかった燭台には蜘蛛の巣がびっしりと張り巡らされている。
お化け屋敷みたいだな…
…?なんだこれ?
カーペットが敷いてあった場所に床下収納のような扉があった。
カギはかかっておらず、簡単に開いた。
中には何も入っておらず、屈んだら通れそうな通路になっていた。
…行ってみよう。
奥に進むと曲がり角。
その奥から光が見える。
「あれ?ユウキさんそんなところで何してるんですか?」
「なんだ、馬小屋につながってたのか」
出た場所は馬小屋で、ネムがユーリの身体を濡れタオルで拭いていた。
「秘密の通路見つけたと思ったんだが、緊急用の脱出路的な感じだったみたいだな」
「そうですか…遊んでないでちゃんと掃除してくださいね」
「うっせ」
再び家の中に戻った。
一通り家の中を見たところ、リビング、キッチン、トイレ、個室2部屋、書斎、研究室(?)、そして外には馬小屋と井戸。
街の家と比べても相当裕福だったことがわかる。
そんなメレスがなぜ魔王国に逃げたのか、いつ逃げたのか、なぜ誰も家に居ないのか。
考え始めたら止まらなくなってきた。
…とりあえず、さっさとこの部屋片付けてほかの部屋も探索してみよう。




