領主
お久しぶりです。
テストから復活して約一週間サボったうらにうむです。
いろいろあってローズの名前を『ネム』に変更しました。
創造力という花言葉を持つ、ネムノキからとりました。
ギルドで報酬をもらった後、昨日同様、酒と食料を買って宿屋で晩酌をしている。
「んくっ、ぷはぁ、それにしても、あいつちゃんと間に合ったのか?」
「刺されて2時間もたってないので、間違いなく生きてますよ。心配してあげるなんて、ユウキさんは優しいですね」
「んなことねぇよ」
「むふふ、照れてますね」
この世界では、教会に行くと無料で治療を施してくれるらしいので、男を教会に預けた。
きっともう治療は終わっているだろう。
まぁ、心配しなくても大丈夫なのだろう。
「ふぅ、ごちそうさまでした」
「でした…何か足りません…」
こいつはどれだけ飲めば気が済むんだ…
昨日はネムの悪酔いが酷かったので、一日一本までと決めておいた。
「我慢しろ、お前は厄介な酔い方するからな」
「でもー…」
「ほら、歯を磨け」
「むぅ」
不満な顔をしながらも、しっかり言うことを聞いている。
こういう素直な所がこいつのいいところなのかもしれない。
「じゃ、寝るぞ」
「はーい…ユウキさんおやすみなさーい…」
「おう、おやすみ」
~~翌朝~~
『ユウキさん、なんか入り口の方が騒がしくないですか?』
(ん?ほんとだ。なんだろ)
ギルドの入り口がざわざわしている。
このままでは入れないのだが…
「白髪と黒髪の狼人の女性はこのギルドに居ますか?」
「ええっと…黒髪はともかく、白髪の狼人はこのギルドに所属していますが、まだギルドには…」
『…これって私たちのことですよね?』
(だよなぁ…俺たち何かしたっけ)
「では、昼頃にもう一度…ん?」
『「あ」』
人だかりから出てきたのは、昨日助けた金髪の男だった。
昨日の冒険者風の服装とは異なる、高そうな貴族が着てそうな服を着ている。
「あなたは…!昨日は本当に助かりました!助けてもらったのにお礼も言わずに…」
「お、おう。お礼を言える状況でもなかったし、気にすんなよ」
俺は男にありったけの感謝を述べられた。
公衆の面前でこれはさすがに恥ずかしい…
「それでなんですが…お礼をしたいので、私の屋敷に来てもらえませんか?」
「屋敷?」
「ああ、すみません、自己紹介がまだでしたね。私の名前はダンテ・ファブル。この街の領主です」
『あー、あの胸についてるバッジ、本物の領主みたいですよ』
(おいネム、どうする?ついてくか?)
『いきましょう。お礼をしてくれるのに断るのは失礼ですよ。それに、ひょっとしたらお酒をたくさん…!』
(魂胆だだ漏れじゃねぇか。でも、失礼か…確かにそうだな)
それにしても、領主ともあろう人物がなんで昨日あんなところに居たんだ?
「俺の名前はユウキ。屋敷まで案内してもらえるか?」
「ええもちろん、こちらです!」
俺たちは屋敷についていくことにした。