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夢はもう一つの現実でした  作者: 宮城希
第1章 冒険の始まり
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第006夜 私、魔法が使えるようになりたいです!

前回のあらすじ

 妹のつばめに少女リコを私が誘拐してきたと疑惑が急浮上するが、

 家族会議で一応誤解を解いた後は3人でお風呂に入り、寝る事になりました。

「つばめ、リコ、おやすみ」

「おやすみです」

「おやすみ」


 今日もいつものように暗闇へ沈んで行く。

 でも両腕に浮き輪がついているような違和感がある。

 視線を落とすとリコとつばさが抱き着いていた。


(なんで2人が、おっと)


 二人の捕まる力が弱いらしく、浮上しそうになるところを腕を引っ張ることで繋ぎとめた。


(このまま降りれば連れて行けるのかな?)


 妹は浮上させても良いかもしれないが、せっかくなので連れて行ってみる事にする。


(つばめは私の夢を全然信じてないようだしね)


 しばらく沈んでいくと夢へ通じる門が現れ、私達3人をその先へと導いていった。


 目を覚ますと古びた天井が目に入った。

 寝心地からすると牧草のベッドに寝転んでいるようだ。

 両腕には相変わらずの2人の重みがある。

 二人を見ると服装はパジャマだった。

 自分の服装も確認するとパジャマを着ていた。

 身に着けているものは夢に反映されるのかもしれない。


「リコ、つばめ、起きて」

「んぅ、アスカ?」

「あと5分・・・です」

「つばめは起きないと置いていくかな?」

「今日は土曜日だから寝かせて欲しいです」


 つばめが身じろぎをする度に牧草ベッドが音を立てている。


「・・・なんか寝心地が変ですね」


 そう言うと、身体を起こして寝床を確認して困惑しはじめた。


「あれ、ベッドじゃないです」

「牧草ベッド」

「起きたかな?」

「ここどこです!?」

「森」

「夢の中かな?」

「夢ですか、じゃぁもう少し寝・・・るのは無理そうです」


 夢だと認識して2度寝をしようとする。

 でも寝れる環境ではないと判断したようだ。


「夢だけど、たぶん私が居ないと現実に戻れないと思うよ」

「え、何それ怖いです」


 つばめの顔が若干引きつっていた。

リコが立ち上がり窓辺へ駆け寄っていったので、

私とつばめも起き上がってその後に続いた。


「ここでアスカと出会った」

「ここでです?」

「ん」

「ふーん、本当に森があったんですね」


 つばめは窓から外を見ながら呟いて深呼吸をしていた。


「ここは空気が美味しいです」

「ん」

「さて、現状把握はできたかな?」

「別に、最初から信じていたのです」


 つばめは不貞腐れたようにそっぽを向いてしまった。


「さて、森を抜けるにあたり、不安点がいくつかあります」

「ん!」

「はい、リコさん」

裸足(はだし)?」

「正解、まだあるよー」

「はいです!」

「つばめさん、どうぞ」

「パジャマです」

「そうだね、外を出歩くのにパジャマでいいのかは問題かな」


 遊び半分で問題点を挙手してもらっていく。

 2人とも楽しそうだ。


「ん!」

「はい、リコさん」

「魔物?」

「え、この世界って魔物が出るのです?」


 つばめの顔が青褪(あおざ)めていく。


「いい質問だね、ズバリ出現するかな」

「・・・帰りたいです」

「ムリかなぁ」

「帰るです!」


 つばめが半泣きで帰るの一点張りを始めた。

 無理もないかな、いきなり魔物がいると聞いたら怖いだかな。


「まぁ落ち着いて」

「だって戦う手段がないかも!?」


 悲壮感のある顔で私を見上げながら抗議をするのは分かる。

 けど絶望するには早すぎるかな。


「つばめ、ここは夢って私は言ったよね」

「言ったですが夢でも死にたくないです?」

「魔物が居るなら魔法もある、そして夢なら思い通りの能力が使えると思わないかな?」

「たしかに・・・そうです?」


 思い至ったつばめは思案しながら立ち上がり、希望が見えた顔で私へ宣言をした。


「私、魔法が使えるようになりたいです!」

つばめは魔法が使えるのかな?というかパジャマで森を抜けるのかな?

見て下さっている皆様に感謝です。続ける励みになります!

GW中は1日1話アップ予定です。

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