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10.学校選び

ここまでのストーリー:サスケは15歳になった。

 15歳の誕生日を迎えたとき、シュヒリに言われた。


「サスケはこれからどうする?」


 村の子供は、15歳になると、村に残って家業を継ぐか、王都の学校へ進学もしくは出稼ぎに行くか、考えなければならない。村の子供の多くは、出稼ぎか家業を継ぐ者が多く、進学する子供は少ない。しかし兄も姉も進学したし、サスケが進学する金銭的もあったので、サスケは進学することにした。


「それじゃ、学校を選んでおいて」

「はいよ」


 サスケは、父親からもらった案内を見ながら、学校を選ぶ。


「どれも楽しそうだな」


 サスケは学校に興味があった。前世の学校は、皆、生きるのに必死で、殺伐としていた。だから、あまり学校に良い思い出ではないのだが、部下が教育改革を行ってからは、学校に通う生徒の顔が生き生きしていて、羨ましく思った。そのため、村の学校に通えるとわかったときは嬉しかったが、修行時間が十分に確保できなかったため、学校は分身に任せていた。だから、忍者としての能力がある程度確立され、修行も一区切りがつくこの段階で、真面目に学校に通い、青春を楽しもうと思った。


「決めたか?」

「ああ。ここ」


 サスケが選んだ学校を見て、シュヒリは唸る。


「オーシャン魔法学校か……」

「駄目?」

「駄目ではないが……。ここ、試験がかなり難しいぞ?」

「へぇ。まぁ、でも、何とかなるんじゃないかな」

「どうして、この学校なんだ?」

「王族や貴族の人、さらに商人の子供とかが通ってるんでしょ? なら、ここでコネを作っておけば、将来、親父たちを、楽にさせてあげられるじゃん」


 ぶわっ、とシュヒリの目から涙がこぼれ、シュヒリはサスケを抱きしめる。


「ああ、ええ子やぁ……」

「んだよ、暑苦しいな」

「どうしたの、あなた?」


 プラトリーが現れ、泣くシュヒリを見て困惑する。しかしシュヒリの説明を聞くと、同じように涙を流して、サスケを抱きしめた。


「あなたは自慢の息子よ」

「そいつはどうも」

「でも、あなた、どうしましょう。オーシャン魔法学校ってなったら、お金が……」

「あっ、馬鹿」

「えっ、何、お金無いの?」

「あっ、えっと……」


 プラトリーが申し訳なさそうに目を向けると、シュヒリは観念したように口を開く。


「金はあるんだが、オーシャン魔法学校に通うとなると、ちょっと苦しくなる」

「ふぅん、そっか。なら、この特待生とやらで合格すればいいんでしょ? この特待生になれば、授業料を免除してもらえるみたいじゃん」

「いやいやいや、さすがに俺の息子と言えど、それは無理だって。筆記試験で8割以上正解しなければいけないのだぞ?」

「そうよ。しかも、オーシャン魔法学校の特待生専用の実技試験を受けさせるなんて、そんな危険なこと、できないわ!」

「危険なの?」

「ああ。何せ、現役の騎士を相手に、実戦を行うんだからな」

「ふぅん、そっか。でも、俺は受けるよ」


 困惑する二人。息子の意見を尊重したいが、危険な目には遭わせたくない。そんな葛藤が見える。そんな二人の心配をよそに、サスケは気楽な調子で二人の肩を叩く。


「大丈夫だって。親父とお袋の息子は、想像以上に育っているから」


 このときサスケは、試験を舐めていた。甘い見通しのせいで、大変なことになるとも知らず、笑っていた……。

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