プロローグ
初投稿です。楽しんでもらえたら嬉しいです。
誤字脱字がありましたら教えていただきたいです。
今日も王城は賑わっていた。重要な会議が行われていた。
会議に参加するのは、有名な学者だったり、偉人だったりする。
その会議の内容は、この国の厄介者についてだった。
―この国には、ある病気が広まっている。
「誰にも治すことは出来なかった」というわけではない。この国には万能薬があり、どんな病気も治せるはずだ。
しかしそうしないのは、王宮で除け者にされていた人物がその病気にかかったからだった。
「彼女の容態はどうかね?」
「いいえ、まだ全然目を覚ましません。 維持費がかからないのは幸いですが。」
その黒いジョークに顔をしかめる者はいなかった。全員が顔を緩め、笑っていたのだった。
「しかし、どうしましょうか?彼女はもうとっくに用済みですし…。」
笑いが収まり、静まり返ったところに問いかける声が響く。
「こういうのはどうでしょう? 彼女は病気が治った途端にふらふらと外へ出て、地上に落ちてしまった。というのは?」
「なるほど。それはとてもいい。これで国中の患者たちをなおせますしねぇ。」
そこへ1人の青年が待ったをかけた。
「あ、あの…なんで今まで治さなかったんですか?万能薬だってあったのに…」
その質問は、あまりに場違いすぎた。
青年を取り巻く人々は、何を言っているんだという目をしながら青年を見つめていた。
そこで髭を生やした権力者は言った。
「あなたは…初参加ですか。なら教えましょう。」
数泊か間を置いて、はっきりと宣言するように。
「国の患者を治してしまったら、彼女を治さなければならないじゃあないか!」
彼女―この国の姫を指さして、その存在を否定するように。