当たりは不幸
このお話はフィクションです。
俺の名前は剣崎道尾。
ごく普通のどこにでもいる高校1年の剣道系男子だ。
学力は中の下で運動神経はなかなかだと思う。
部活は剣道部で今日も稽古に励んでいる。
自分で言うのも何だが結構強い、と思う。
それもそのはず家は一家全員が剣道をやっているの剣道一家なのである。
この話はいつかするとしておいて今は部活の帰り道だ。
星がきらめく夜道の中を俺は部活終わりの為にヘトヘトな状態で歩いていた。
現在時刻は午後の7時、あたりはかなり暗く周りから見たら俺はゾンビに見えるだろう。
疲れからうめき声を上げながら進んでいると明かりを見つけた。
コンビ二である。
何かを買おうと俺はコンビ二に入った。
現在は五月の上旬。
暑いというわけではないがなんとなくアイスが食べたくなる時が高校生にはあるのだ。
そのため俺はコンビニによりアイスを買った。
当たりつきのアイスだった。
帰り道を歩きながらシャクシャクと水色のアイスを食べていると少しずつ木の棒が姿を現してきた。
暗いため良くは分からないがどうやら何かしらの文字が書いてあるようだ。
「ラッキー。当たりだ」
ちょうど街灯の近くだったため止まってよく確認する。
「えーっと」
そこには「大当たり」と書いてあった。
「大当たり?…ということは二本ぐらいもらえるのか?」
裏面も見てみるとそこには
「あなたは能力を当選しました」
そう書いてあった。
「………は?」
数秒の沈黙そして困惑、その時後ろより誰かの気配がした。
だが振り返っても誰もいない。
気のせいだったと前を向くと黒いスーツを身に纏い、黒い覆面をした人物が立っていた。
目の周りは赤く塗られていて、能面のような白色の肌が見える。
「こんばんは」
ピエロのようなふざけた声で男は話しかけてきた。
「………どちらさまですか」
俺は警戒をして一歩後ろに下がり背中にかけている竹刀に手を伸ばした。
「おめでとうございます。あなたは当たりを引き当てました」
男は首を左右にゆっくりと傾けながら手を前に突き出した。
「よって、あなたに能力をプレゼントしましょう」
男の手が光を放つ。
瞬きをするとその隙に男の姿はなかった。
「あなたの能力はものさしを鋭くする能力。これをどう使うかは、剣崎道尾。君次第だ」
どこからか声が聞こえてきた。
さっきの男とは違う男の声だった。
「今日はしっかりと体を休めるといい。何が起こるか、始まるかは明日のお楽しみだ」
そう言われたのと同時に俺はいつのまにか自宅の前に移動していた。




