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「詩と随筆」シリーズ

たわわに実るのは、果実だけですよ?

作者: まいまいഊ

桃の形と桃の色の果物は、もちろん桃。

花言葉は、「私はあなたのとりこ」


淡い色に染まった桃は、もう、それだけで、おいしそう。



赤みがかった白色の、水蜜種の白桃を。

水分が多くって甘い球形の果実のあの産毛をそっとこの手で撫でて。


……考えただけで、心臓が高鳴るよ。



あの薄皮をむくのが、多少面倒くさいけれども。


そっと、

やさしく、

傷つけないように。



そう、ここで、あわてちゃ、いけない。

あわてちゃ、いけないよ。


本当にやさしく、丁寧にむかないと。

果実は、とっても傷つきやすいから。



その皮さえむいてしまえば……

そこはもう文字通りの桃源郷。


僕の手の中で、

やわらかな白い果実は、その輝く肌をみせて、

甘い汁を滴らせ、

とろける香りを漂わすんだよ?


あぁ、あのみずみずしい果肉に、

そっと、歯を立てて、

舌に感じる刺激はとろけるような熱を持っている。

甘い蜜は胃の中へ。

粘膜に冷たく消えていくのと同時に、

幸福が、脳に染み渡り、世界を満たしていく。

甘美な風合いに、われを忘れて、しまいそうだ。


あぁ、もう、夢中になって、その香しい弾力をかみしる。


まさしく、「私はあなたのとりこ」のその花言葉通り。

全身全霊傾けて、その静かな感動の余韻にひたる。






……もちろん、普通のみずみずしい桃の話をしているのですよ、僕は。



あまりに愛しすぎて、カニバリズム!

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