第二章:ギルド7
エレナは元々上流貴族の生まれという事をユーリィは知っている。それ故に何不自由なく暮らしていたことも。
しかし、エレナの両親は事件や争い事が起きれば対策や解決を即座に起こすタイプだった。
しかし、ここの領主は何の反応もない。警備の増強、何かしらの条令もない。
ユーリィはそこが一番不思議でおかしいと思った。
「やっぱりおかしいよ。昨日あんな事件があったのに、何一つ行動がないのは」
「そうね。でもどうせ領主が無能なだけでしょ」
エレナはまったく興味無いようだ。いつも通り対応が適当だ。
そのせいかユーリィもこの事については触れない事にした。
※
ゲフッ!と勢いのよいゲップがエレナの口から放たれる。その後また「あー、食べた食べた」とまたオッサンくさい言葉が出る。
この言葉を聞くとエレナが貴族の生まれだと疑いたくなる。
しかし、貴族なのは事実なのはユーリィは知っているがこの言葉を聞くと何故かそれが揺らいでしまう。
それに毎回食べる量が異常だ。今朝もそうだが先程の喫茶店でパフェを10杯完食している。
そのせいか支払う金額もすさまじい。
喫茶店で会計の際、店員の顔が 引きつっていたのを思い出した。