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第二章:ギルド6
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「んー、おいしー。あ、ユーリィも食べる?」
「ん? いや、僕はいいよ」
エレナはパフェに盛り付けてある果実とクリームを一緒にして口に運び、その味を堪能する。
ユーリィにもその美味しさを分けてやろうと、クリームと果実が乗ったスプーンを差し出すが断られた。
エレナは残念そうにそれを口に運んだ。
今二人は喫茶店で休憩をしている。この喫茶店はそれなりに繁盛しているのか店は賑わっていた。
エレナはパフェを貪っているが、逆にユーリィは読書をしながら紅茶を飲んでいた。
ちなみにエレナは現在4杯目である。
「なんか不思議だね」
「なにが?」
ユーリィの唐突な言葉に、エレナは目を丸くする。するとユーリィは読んでいた本を閉じ、視線を別の方に向ける。
エレナも釣られるように向いた。
視線の先には賑わいを見せる露店の数々。
「昨日の事件があったなんて不思議だよね」
「まあ、確かにそうね。でも、一々気にしてられるほど生きるのに楽じゃないんでしょ?」
「そうなのかな?」
エレナの言葉にユーリィは首を傾げる。