第二章:ギルド2
片方はシルバーを基調し、中央には小さな紅い宝石が収まっている。それに、エレナは少し揺らすと連動してか中央の宝石も揺れる 仕組みがあるイヤリング。
もう1つの方は、色や宝石は同じだが掌でサ イズの薔薇の髪留めだ。
ユーリィにとってはどちらが良いのかは分からない。というかどうして良いのか分からなかった。
少し悩んで。
「こっちがいいと思う」
「え!本当!んじゃ、これにする!」
ユーリィはイヤリングを指さした。エレナは嬉しそうな声をあげる。
そして――。
「これ買って!」
ユーリィに会計を迫った。え?っと反応を ユーリィはするが、エレナは期待を込めた眼差しに反論は難しく、やむを得ず買う事にし た。
店を出た後、エレナは直ぐにその場でイヤリングをつけた。余程嬉しいのかユーリィの腕に抱きつき、幾度も似合うか聞いていた。
その度にユーリィは似合うよ、と言った。
その様子を見ていた街の人の反応は様々だったが、本人達がその視線に気づく事はなかった。
というより本人達は、カップルような存在がやる行為を平然としていることに自覚は無いと見える。
いや、なんの自覚がないのはユーリィだけだ ろう。
何故なら――ユーリィは鈍感だから……。
とエレナは心の中で残念そうに呟いた。