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第一章:拳武の少年と剣舞の少女9
流石に堅牢な甲殻も嵐のように繰り出される斬撃には耐えることは難しく、耐えきれない部位は斬れていく。
そして、鎌や一部の脚の間接は斬れ以前の素早さは無い。むしろ虫の息だ。
そこにエレナは斬撃を止め、火球を叩き込んだ。火球はその身体を火柱が包み燃やす。
忌まわしい断末魔が聞こえ、エレナは胸くそが悪くなった。その内、その断末魔は消え、残ったのは黒焦げになった死体のみだった。
「ユーリィ、お腹が空いた」
戦闘を終えたユーリィは合流したエレナの言葉に驚く。流石にこんな状況でその言葉は無いだろうと……