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短編集。  作者: 伯灼ろこ
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のほほんラブラブCROW記②【羅洛緋回想の氷閹ver.+α】

双子がのほほんラブラブ喋っているだけ。


――古代ルーナ王国跡、玉座の間。

 かつて玉座があった場所にて、世槞は奇妙なポーズを取っていた。



紫遠「まぁ一応聞いてあげよう。……なにしてんの?」


世槞「エア玉座」


紫遠「…………」


世槞「あっ、スルーすんなよ突っ込めよ!」


紫遠「姉さんの前世があの女王セシルだとは、悪いけれど微塵にも信用できない」


世槞「だよねー! 変わりすぎだよねー!」


紫遠「氷閹が語った昔話の中のセシルは、まさに清廉で聡明な――……はぁ」


世槞「やめて! 溜め息やめて!」



 世槞は完全にふざけた気持ちでやっていたエア玉座を今すぐに取り止め、その場で正座した。



世槞「そういやさ、私はセシル側からしかの前世の話を聞いてないから、シャオ側のことがあんまりわかんないのよね」


紫遠「うん」


世槞「ほらほら、カインにさ、フィリアに婚約を申し込めと言われた時のシャオの気持ち教えて! そこガチで気になってた」


紫遠「あの時のシャオは……カインに言われたあと一旦自分の部屋へ戻り、その中を10周くらい歩き回ってからセシルの部屋へ飛び入ったらしい」


世槞「あははは、なにそれ。さすがのシャオでも混乱しまくってたんだねぇ」


紫遠「らしいね。でも僕だってさ、たとえば愁に急に姉さん以外の人と結婚しろって言われたら……同じ行動するよ」


世槞「ふーん。私はセシルとは性格も思考も全くの別人間だけど、紫遠はシャオそのまま生まれ変わったんだなぁ」


紫遠「いや、彼と僕は一見似ているように思えるけれど実は結構違うよ」


世槞「えー、どこが??」


紫遠「まず、幼い頃の僕はあんなに泣き虫でも弱虫でもなかった。なんなのあれ。殴りたくなる」


世槞「……。し、シャオはすごく成長したよね!」


紫遠「シャオは姉と結ばれるその時までセシルに対して「好き」とは一度も言っていない」


世槞「!!!!!!!!! ほ、ほんとだわ……衝撃的事実……。私は昔っから紫遠に言われまくってたのに……」


紫遠「ませてたよね、僕。シャオの時代にあまり気持ちを言わなかった反動が表れたのかも」


世槞「どんな反動だよ」


紫遠「次に、シャオは世界を守る為に頑張っていたけれど、僕はそんなに頑張っていない。ぶっちゃけ、姉さんを護ること以外はどうでもいい」


世槞「…………。お前サイテーだな」


紫遠「その違いにも理由があるらしいんだ」


世槞「はぁ、どんな。どうせ都合のいい言い訳だろ?」


紫遠「世界を守ることを頑張りすぎてルーナ王国が大きくなり、結果としてランスロット王に目をつけられた」


世槞「…………」


紫遠「セシルとシャオが引き裂かれたこと、そしてルーナの滅亡にはランスロットが関わっている」


世槞「うん……」


紫遠「頑張らなければ、二人だけで平穏に暮らせたかもしれない。生をまっとうできたかもしれない。――その後悔が今の僕を形成しているらしい」


世槞「…………」


紫遠「どうしたの」


世槞「紫遠……ギューッてして。私をギューッてして」


紫遠「……いいよ」







おわり。


作者「なんだかしんみりしてしまいました」



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