番外編~ある王妃様の日記
○月○日
ミストさんがきてくれてからライオスが楽しそうです
あの日…夫が異世界人を召喚するなどとぬかして、独断で召喚しやがったのですが…
結果的には召喚したことはよしとしてあげましょう
あの日は大変でした…
あの日…異世界召喚で召喚されたのはエルフだと聞いて…
私は焦りました
だって…エルフを強制召喚して、さらに私利私欲のための…戦争の道具にしようとしているとばれたとき
この国にどのような報復をされる事か…
夫が召喚後に話をするというので同席すると、エルフは女性であった事がわかりました
彼女は兵士に連れられて入ってくると夫を見て、眼を僅かに細めて、嫌悪の感情を一瞬浮かべていました
ああ、彼女には夫の醜い考えがわかってしまっているのね…
夫は全然気づいていないみたいだったし…馬鹿だから仕方ないわ…
ふとライオスを見てみると、何かを恐れているように彼女を見ているじゃない?
何を恐れているのかと思っていたけど、夫がいなくなってわかったの
彼女に嫌われる事を恐れているってこと
どうやら彼女に一目ぼれしたみたいね
彼女も良い人なのかもしれないと思ったの
だって…私とリリス、ライオスが謝ると、許してくれたもの
そして、この国は嫌わないって言ってくれたの
とりあえずそれだけ約束してくれるなら良いわ
ライオスの事も嫌われているわけではないみたいだし…
ライオスには今まで苦労をかけていたし…出来る限り応援してあげたいわね
ライオスを護衛に付けると言った時彼女は拒否しなかったからよかった
ライオス…私は応援と援護はしてあげるから、頑張りなさいね
ライオスをつけて数日が過ぎて、ライオスが夫に対して切れたという情報を仕入れたの
さすがのライオスでも我慢の限界があるわよね
どうか王子という枠にとらわれず自由に過ごして欲しいわ
母は応援していますからね
彼女も良い子みたいだし…頑張りなさい
ただ、彼女、ある意味凄いから…ライオス大丈夫かしら…
森に契約獣候補と契約しに行くと言って出て行ったと思ったら、二匹も契約獣を従えて帰ってきたじゃない?
…凄い…としか私には言えないわ
ライオスがついて行く意味はあるのかしら…
いけない。
あの子が望んでついて行こうとしているのですものね
今日も彼女の契約獣と仲良く鍛錬をしていたみたいだし…
交友関係が友好なら大丈夫よね
ミストさんが言うには、親友と言ってもいいくらいに仲がいいと言うんですもの
旅について行くのも当然…と言った感じで受けいられていると聞いているし…
私が心配しすぎるのも駄目よね
息子の事を信じなきゃ
ライオス…頑張りさないね…
そして、私達の事は気にせず好きに生きなさい
私はあなたがどのような選択をしようと応援するからね
もうすぐ旅に出ると言っていたから、私から何かプレゼントをしましょうか
何をあげれば喜んでくれるかしら…
選ぶのも楽しみね
彼女と、ライオス、そして契約獣の2匹…
いえ、人型を取っているから、2人…ね
彼らにあげるプレゼントを、リリスと共に選びましょう
そうときまればエリスのもとへ向かわなければ…
ふふ、何をあげたら喜んでくれるのか…
それを考えるのも楽しみだわ
王妃様はちょいちょい毒を吐く人のようです
何故王様と結婚したんでしょうかね?
エリスさんはリリスちゃん専属の女官です。
リリスちゃんの世話をしつつ、リリスちゃんの成長を微笑ましく見てる20代後半の女性です




