続・正座で高速道路走ってたら捕まった件 ~正座技能士2級(国家資格)の男、くるま・だんきち~ 【再投稿】
600万円のF1用ハンドルを握って、いざ出発。
来た道を帰ってみる。
気分を変えて、高速道路の中央分離帯を走行。正座で。
地面から3センチしか浮いてない。
分離帯ノゴツゴツがヒザに当たる。
ちょびっと痛い。
けどね、俺は2級正座技能士。
ぜんぜん余裕っす!
来るときに(高速道路で)遭遇した覆面パトカーとすれ違う。
相変わらず、パトカーのフロントガラスが割れとる。
来るとき、俺のF1用ハンドルが刺さったからね。
軽く手を上げて、警察官に挨拶。
笑顔で返してくれた。
さすが、ゴールド免許の威力は違う。
中央分離帯を、体育座りで走行してる人がいるね。
安定しとる。
同志って呼んでいいかね。
ヒザを抱えて、まっすぐ俺に向かって走ってくる。
タピオカミルクティーを脚に挟んでるっぽい。
ドリンクホルダー標準装備ってやつかね。
いいな、あれ。
おや? 食パンを咥えとる。
女子高生(JK)っぽい。
制服が風でバッサバサしとるがな。
スカートの下にジャージ穿いてた。
1時間目から体育なんだろうな。たぶん。
JKは、俺の方に向かって、だいたい100キロで走ってる。体育座りで。
衝撃をヒザで吸収してるらしい。上級者だろうね、きっと。
俺も100キロくらいで走ってる。
相対速度でいうと、200キロ?
もうじき、すれ違うし、そろそろ声かけてみようか。
「オッス! オラ、xxx!」
舌かんじゃった。
俺の声、ちゃんと聞こえたかな?
「トランスふぉーむ!」
いつものとおり、四つん這いに変形。
180度回頭して、JKの様子をみてみる。
手を上げて挨拶してくれてた? ような気がする。
小さくなって、よく見えんのよな。
どうでもいいけど、JKが飛ばしたタピオカが、俺の鼻にインした。
両方の鼻の穴に。
息ぐるしいんよな。俺って鼻呼吸派だかんね。
そいうや、すれ違いざまに、「遅刻、ちこくぅ~」って、相手の声が聞こえたな。
ちこくぅ~のあとに、「こんひゃ~」って聞こえた。
ドップラー効果ってやつかね。
いや、ドッペルゲンガーだっけ?
音源が移動するタイプのドップラー公式を道路に書いてみた。
けど、一瞬でどっか行ってしもうた。
もいっかい、地面に公式書いてみた。速記で。
でも、結果は同じだったね。
★
東京を出発して、およそ3日。
いま、種子島宇宙センターにいます。
ロケットの発射台に、正座して乗ってる。
正確にはカタパルトだね。
カタパルトで思い出した。
肩パットって、でかいほど勝ちって気がする。
でかい肩パットを妄想で装着した、俺の見た目はガンタンク。
けど、実態は俺タンク。
俺タンクは、いつでも飛び立てる!
1から60まで数えてるけど、なかなか発射しないね。
管制室から、テレパシー的なものを受信。
カウントダウンしないとダメみたい。
ここで一句!
「カウントは 増やしちゃいけない ホトトギス!」
気を取り直して、カウントダウン開始。
90秒前!
89、
88……。
またもや、テレパシー的なものが来た。
10秒前からお願いします! だって。
俺からもお願いしてみた。
「東京都内でおろしてください」
管制室から返事きた。
「バイクの王将あたりでいい?」
だってさ。
「できれば、オーットバ__」
発射3秒前!
お願いが間に合わんかった。
仕方ない……。
「トランスふぉーむ!」
1センチくらい背筋を伸ばす。
肩パット。いや、カタパルトが傾いた。
43度くらいかね。
トゥトゥのシャワートイレの水の角度って、たしかこれくらい。
1秒……
発射!
あれ?
F1用ハンドルだけ飛んでった。
いろんな意味でフライングじゃん。
俺タンク。置き去り。
ぼちぼちっと、カタパルトから降りようかな。
ぁ……。
俺も蒼穹に投げ出される。
仕方ない。
ハンドルを追いかける旅に出発!
空を飛んでます。
正座で。
★
いま、東京都内にいます。
種子島から空を正座で走って、およそ30秒で到着。
F1用のハンドルは、行方不明。
小旅行の報告に、オートバッグスに顔だそうと思います。
来ましたよ。
オートバッグス。
修理を待つ車になかに、見覚えのある物体が1台。
覆面パトカーだね。
パトカーのフロントガラスに刺さっとる。
あっさり見つかったね、俺のハンドル。
種子島からココまで飛んできんだね。
警官とは顔見知り。
同じ道路を走った仲間だからね。
俺のハンドルを持ってきてくれた。
フロントガラスごと。
「あ、これ要らないんで」
俺は、ハンドルを警官に返し、フロントガラスをもらうことにした。
そういうや、フロン・トガラスってなに?
新種のカラスっぽいよね。
帰りに図鑑買おうかな。
サイフもってないけど。
走行中、これで虫が目にはいることはない!
安全運転が基本だからね。
出発間際、警官に呼び止められた。
「風邪ひいた?」
「いや、鼻にタピオカが詰まってるからだと思います」
ぼちぼち鼻から出そうかね、直径5センチのタピオカ。
「タピオカ、撃ち方、よ~い!」
ぁ……。
タピオカ飲んじゃった……。
走行開始3秒で、フロン・トガラスが飛んでった。風圧すごいね。
やっぱり、トガラスって鳥だったんだね。
鳥で思い出した。
ニトリンでちゃぶ台買ってかえろう。
サイフ?
ないね。
持ったら負けだと思っとる。
日本一周?
これから。
まだ始まってもいないからね。




