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男の聖女はダメですか?  作者: 茉小夜
ドラコニア王国
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第31話 買い物デート

ウォーマリン伯爵のお願いで"船乗り病"の治療に向かう。

鑑定の結果、やはり原因はビタミンC不足による壊血病で間違いなかった。

ハイヒールによる治療と食事改善を行って帰還した。


「明日にここを立つ」


一日で治療を終えたので、翌日から出発できると思ったがーー。


「豪商が例の商人を引き取りに来た」


トラブルが起きた。例の罠に掛かった商人を両親が引き取りに来たので、シリウスさんはその対処にあたるようだ。


「カイルがサポートしてくれるから一日で終わる筈だ。なので、今日はしっかりと休んで明日からまた頼むよ」


ウォーマリン伯爵が仲介に入り、一日で事を納めるつもりらしい。


という事で今日は休日です。


「うん、可愛いです!」


「スカートでもいっか……」


鏡に映る女装した自分を見て俺は悟った。スカート履いても良いじゃない。だってすごく似合うんだからと……。


「いや、半ズボン何処やった!?」


そもそも、何故スカートかというとそれしか着るものが無かったからだ。


「いつ入れ替えのさ!?」


「衣服を詰めた時からです」


「最初からだとっ!?」


衣服は一緒に詰めるからと言われたのでノアに手渡したら、まさかのスカートが入れられていたのだ。

〈収納〉が使えるのに何故?と思っていたが問い詰めるべきだった。


『別に良いじゃない? ちやほやされる為にその容姿を活かし始めたんだから今更スカート履いても……』


「容姿は良いんだ。女っぽくて可愛いなって、自分でも思うから。それと妥協した上の半ズボンです」


男らしいは全て下のムスコに任せました。

だって、筋トレしても筋肉が増えないし!パワーが欲しけりゃ身体強化するだけさ!!


「さて、半ズボンの件なんでが……」


「あっ、実はあーー」


「捨てました」


有るというオチではなく、捨てられてました。


「……………………はい?」


「だから、捨てました」


真剣な顔でそう言うノア。聞き間違いなどでは決して無い。


捨てたとはどういう事なのでしょうか?


「だって、半ズボンで前を歩かれた日には……ムラムラして襲っちゃうじゃないですか!? 合法なんですよ!合法!恋人だから食べちゃって良いんですよ!!」


「おっ、おおっ……短パンだったら?」


半ズボンでアウトなら短パンはどうか?

ちょっと好奇心で聞いてみたくなった。


「もう洪水からの水溜まりです。そんな日には変な男が寄って来るかもしれないじゃないですか?! 他の男に私が襲われても良いんですか、ミヤビさん!!」


それは困る。彼女は俺のモノだ。ただでさえ、その爆乳で人目を集めるのに欲情がバレたら襲われかねない。


「分かった。俺はスカート履くよ!」


「ありがとうございます、ミヤビさん」


『お〜い、論破?されてよぉ〜』


「とりあえず、服に認識阻害の魔法を掛けておこう」


ノアの服装は白いプルオーバーに緑系のフレアスカート。近所の清楚系お姉さんを連想する。胸部装甲は今日も危険な為、胸辺りを重点的に意識して魔法をかけた。これでノアから声を掛けない限り大丈夫だろう。


その後、朝食の食べに部屋を出て下の食堂に行くと"火竜の牙"のメンバーは既に食べていた。


「にゃ? ミヤビたち、おそ……」


「「「「スカート……」」」」


彼らの視線が痛い。俺の性別を知っているからこそ疑問に思うのだろう。

現に先程すれ違った騎士さんは仲のいい姉妹を見るような目で見ていた。


「まあ、あれだ。趣味嗜好は人それぞれだし……」


「ダルク。目を泳がせながら言うことじゃないと思う」


「じゃあ、はっきり言う。ワロス」


「殴る」


さすがはAランク冒険者。あっさりかわされてしまった。


「ははっ、身長差有るし。身体強化無いなら避けやすい」


「むむ……」


「おい、無言でげしげし蹴るのを止めぃ。速くも重くもねぇから避ける気が無くなる。あと妙にこそばゆい。ねぇ、分かる? 俺、高位冒険者よ。 お前の先輩よ?」


「俺はダルクたちの魔法の先生」


「お陰様で酒の保管に〈アイテムボックス〉が活躍してます」


じゃれ合いは程々にして俺たちも朝食にした。


「ダルクたちはこの後どうするの? 旅の準備?」


「それなら昨日ミヤビが仕事行って内にしといたわ。高級宿だし、俺は酒飲んで部屋でゴロゴロするかね? ソーマもどうよ?」


「俺はその前に武器屋で弓矢の補充かな? 〈アイテムボックス〉に予備を収納できるの忘れてた」


「ほんと便利にゃ。食べ物を買い溜め出来るにゃ」


「ミリーの場合は全部干し肉でしょ? ツマミにするから出しなさい。代わりに私のを詰めてあげるから」


皆、久しぶりの休みだし、昼間から飲む様だ。それと〈アイテムボックス〉を使いこなせているようで安心した。


「ミヤビは私服?って事は街に出るのか?」


「とりあえず、ズボンを買おうかと。ノアに捨てられたから……」


「なんだ。好きで着てた訳じゃないのか」


「寒くない限りは半ズボンを履くよ。短パンは短過ぎるから。それに履いた日には……」


「短パンは危険です。冒涜的です。夜だけに着る事を認めましょう」


こんな感じで暴走した襲われるのが目に見えています。


「あとは杖の受け取りかな? 伯爵の依頼で壊れてしまったから新しいの用意してくれるって」


「壊れたって……結晶杖じゃなかった? 結晶を変えれば使えるでしょ?」


「俺も最初はそう思ったんだけど、持ち手の所までヒビが入ってたんだ」


「あらら、それなら買い換えるしかないわね。良かったじゃない。伯爵から貰えて。杖は高いものね」


「にゃ、ミヤビ。暇だからミュウと遊んで良いにゃ?」


「ミュウと?」


「そうにゃ。ミュウを見てると追い掛けたくなるからこの機会に鬼ごっこしたいにゃ」


「ミュウが良いなら」


『私は良いよ』


ミュウはミリーと遊ぶ事が決まり、意図せずノアと2人っきりお出掛けする事になった。







ウォーマリン伯爵に指定された商会に行って、店員さんにギルドカードを見せると応接室に案内された。


少し待つと細長い箱を持ったエルフさんが入って来て、箱の蓋を取り払う。


「こちらが伯爵様よりメンテナンスした後に渡して欲しいとお預かりした杖になります」


深い海を連想させる紺碧で大きな水晶に星屑を散らした様な黒い柄。見るからに上質な物だと分かる杖が入っていた。


「こちらは星海杖【メルティースカイ】と呼ばれる物になります」


どうぞお取り下さいと言われたので杖を手に取る。

重さはそんなに無く、昔から持っていたかの様にしっくりと手に馴染む。


「〈鑑定〉。……ぶふっ!?」


名称:星海杖・メルティースカイ

等級:幻想ファンタズム

効果:魔法威力上昇(大)、魔力回復効果(大)、魔力使用量軽減(中)、吸魔

説明:星空さえも写し込む海はその深さを誰にも教える事はない。


『(注)魔力貯蔵機関により一定魔力量以下の者が使用すると魔法が使えない事が有ります』


杖の等級が神器を除いた物の中で最上級です。しかもそのスペックがヤバい。威力上昇はそのままだから放置でいい。


問題は、魔力回復効果。魔力の自然回復量の増加に加えて、《《即時》》回復効果を備えていた。吸魔よって吸われた魔力が使われる仕組みようだ。


つまり、この杖の事を簡単に言うと……。


魔力を吸うけど、回復量も増えてるからプラマイゼロだねってか?


そして、魔力が切れても大丈夫。即チャージ出来ます。


「ミヤビさん、大丈夫ですか?」


「大丈夫。性能が良過ぎてビックリしただけだから……」


コレを報酬に出せるウォーマリン伯爵が凄いです。


「それでは頂いていきます。んっ……持った時点で魔力吸収が始まるのか。でも、吸われるより回復量の方が多いから支障ないな。〈ブロア〉」


生活魔法も問題なく使えた。まぁ、杖が無くても使えるけど。


平然と杖を手に取り、魔法を使った俺にエルフの店員さんは驚きの表情をしていた。きっと彼女はこんな子供に使えないと思っていたのだろう。





商会を出てからは服屋を探して歩き回った。

交易の中枢という事も有って、服屋と言えども数が多い。

とりあえず、半ズボンはゲットした。捨てられ無いように〈アイテムボックス〉へ収納だ。


「短パン……ノースリーブ……」


ノアが怪しげな笑みを浮かべ、何かを購入していたが危険な気配を感じたので逃げた。


「ここに入りませんか? 」


目的を達した後はぶらぶらと散策していたが、隙あらばラグジュアリーショップに連れ込もうとするノア。


ふっ、甘いな!双子の案内で経験済みよ!!

恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にすると思ったら大間違いーー。


「黒系……好きですよね?」


「はい……」


デートの定番だなと思い立って入ったものの、基本男性の来る店じゃないのでカーテン個室などはなく、入口から少し離れた所に扉のない個室があるのみだった。


その為、目の前でストリップショーよろしく生着替えが披露されて陥落しました。夜に見慣れた筈の下着姿にめっちゃドキドキして顔が火照る。


あと背徳感が有る色合いとか、透け透けは好きですよ。そっちの赤色とかもどうですか?


薦める下着にもムスコが反応するので、しゃがんで誤魔化すしかない。店員さんが遠くから見ているからね。尤も店員さんの目はノアのおっぱいに行ってみたいだけど。


「……多くない?」


「そうですか?」


今、彼女の選んだ下着で2桁に突入した。


「毎日、三度は変えるますからね〜。それにほら、コレなんかどうです? 入れやすい様に下が開いてるんですよ」


目の前でパンツの切込みを"パカッ"と開いて見せる。


「恥ずかしさの限界だからもう止めて……」


そう言いながらお金を渡す俺もどうかしてると思った。


「なるほどなるほど。巷のエロ下着にも反応よし……メモメモ。ニュンフェ様に報告せねば」


ノアからされる報告が後でどうなって返って来るか怖いなぁ……。


「ほら、まだ時間あるし食べ歩きしよう!」


ノアの背中を押して店を出た。

市場の近くに行くと屋台が増え、海産物を多く取り扱っていた。


「醤油の香ばしい香りがなんとも〜」


当然のように醤油が使われており、そういう店は人が絶えず行列を作っていた。


試しに並んでみると串焼きの店で、メインはイカ焼きを売っていた。


「イカ焼きは、1本小銀貨2枚(2千円)ね」


醤油代の影響で高いけど、美味い。焼けた醤油の香りと味、イカの柔らかさと相まってあっという間に無くなった。


次は魚の塩焼き串に挑戦する。

鮎のような見た目をした魔物の一種だった。ホロホロと崩れる白身で食べやすく、〈アイテムボックス〉に残っていたスダーチをかけるとより一層美味しさを増した。


「次はアレに行ってみましょう」


気になる店には突撃し、お腹がパンパンになるまで買い食いを楽しんだ。



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