表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/213

008 駆け出し冒険者、喧嘩をする(その3)



 「おいおい、何やってんだ」

 「誰だ? あのガキは」



 いつの間にやらルキウスとジーノたちは、すっかりと野次馬に囲まれており、連中はルキウスたちをネタに好きなことを言い合っていた。



 「あいつぁ、ぼんぼんパーティーのルキウスだ」



 「ぼんぼんパーティー?」



 「知らねえのか? あのガキ、ルキウスは剣聖ウィルフォルティスの孫だ」



 「剣聖って、伯爵の?」



 「それだけじゃねぇ、あの入口んとこにいる赤い髪の女、あれはマスター・ランス、デリシェット子爵の娘。その隣のゴツいのはチカーナ子爵んとこの次男坊だ」



 「なんだよそれ。お貴族様がお遊びで冒険者やってんのか?」



 「ふざけやがって。あいつらか? 例の横取りをしたって噂のセイバーズは」



 「あたいも聞いたよ。ジーノたちは背中から襲われたって。あいつら金持ちは、うちらみたいな貧乏人には何やってもいいって思ってやがる」



 「おいおい、それでお咎めなしか? カリオは何もしねえのか?」



 「家の力で握り潰したに決まってんだろ」



 野次馬の中に、ルキウスたちのことを知る者がいて素性が語られているのだが、どうにも評判が良くない。



 評判が良くないのは、ルキウスたちが貴族の子女だから、というだけではない。野次馬が言っていた『横取り』の話が絡んでいるのだ。



 ルキウスたちが冒険者パーティーとしてギルドに登録したのはこの春、三か月前のことである。そして、そのすぐあとにジーノたちアグリコラがルキウスたちをクエスト支援に誘ったのだ。



 だが、クエストの獲得アイテムを手に入れると、アグリコラがセイバーズを裏切り、獲得アイテムを全て取り上げようとしたのである。



 しかし、戦闘力に勝るセイバーズにジーノたちは返り討ちにされ、「俺たちが悪かった。獲得アイテムは全てやる、報酬も譲る、だから許してくれ。その代わり、このことは誰にも言わないでくれ、黙っていてくれ。頼む」と平身低頭して詫びを入れてきた。



 ならいいか、と人のいいセイバーズの面々は許したのだが、それが間違いであった。



 「俺たちアグリコラがクエスト支援に誘ってやったのに、帰りに背中から襲われ、セイバーズに獲得アイテムと報酬を全て奪われた」というデマが、いつの間にか冒険者たちの間に広まっていた。



 貴族の子女であるルキウスたちは、もともと冒険者たちからいいように思われていなかった。



 そのため、ジーノたちが流したデマが、やっぱりあいつら貴族どもは、と冒険者連中に受け入れられ、セイバーズはより肩身が狭い思いをするようになったのである。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ