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036 許しません!



 「たのもぉー!」



 昼営業前のヒリュウの鱗亭に、何やら楽しげな叫びを上げて入ってきた娘が一人。



 (あー、またなんか来た)と思いつつグレタが「あのぉ、どちら様」と言いかけたとき――



 「あっ、フェリシアお姉ちゃんだ」とグレタの言葉を遮ったのがアリア。



 「ルキウスお兄ちゃん? 待ってて」と調理場に向かおうとするアリアをグレタが後ろ襟を掴まえて止める。



 「いったーい。グぅちゃん、またぁ」と頬を膨らませてアリアが抗議する。



 しかし、それを無視してグレタが続きを言いかけると――



 「じゃぁ、わたしが呼んでくる」とグレタの射程圏外にいたアンナが奥に消えた。






 「あら、フェリシアさん。おはようございます。今日はどうかなさいましたか?」



 アンナと入れ違いにステラが顔を出し、フェリシアに声をかけた。



 「ステラさん。先日はルキウス様が失礼なことをいたしまして大変申し訳ございませんでした」とフェリシアが丁寧に頭を下げる。



 「あぁ、そのことなら全て解決しましたよ。もう、わたしとルキウスさんはとっても仲良しです」と天使のような微笑みを返すステラ。



 「な、な、仲良しってなんですか? ルキウス様と何かあったんですか? ダメです、だーめー! 許しません!」と、猛烈な勢いでステラに迫るフェリシア。行かせてなるかとその前に立ちふさがるグレタ。



 「ちょっとあなた誰なんですか? いきなり押しかけてきて。いくらなんでも無礼過ぎるのではありませんか?」とグレタがフェリシアを睨みつける。



 「あなたこそ誰? わたし、あなたのこと知らないんだけど」と思いっきり睨み返すフェリシア。



 互いに、名を名のれ、的な押し問答を続けるグレタとフェリシア。そして、二人の間でオロオロとするステラ。



 「フェリス! 何やってるの!」



 そこに現れたのは裏で薪割りをしていたルキウス。



 「ルキウスさまぁー。お元気そうで何よりですぅ。昨日はちゃんとご飯を食べましたか? お風呂には入りましたか? お着替えは一人でできましたか? お手洗いにはちゃんと行けましたか? 夜は寂しくありませんでしたか? フェリスはとっても寂しかったですぅ」と矢継ぎ早に質問を浴びせる。



 「ちょっとやめてよ。僕は子供じゃないんだから。それよりも何しに来たの?」



 「な、何しに来た…………ひどいですぅールキウスさまぁー。あーん」と、人目もはばからず泣き出す。



 ルキウスがそんなフェリシアに困惑していると、おいおい、と泣きながらもフェリシアが手を伸ばして昨日アウラからあずかった封筒を渡してきた。



 その封筒には、アウラの文字で『ステラちゃんへ』と書かれていたので、ルキウスはそのままステラに封筒を渡した。




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