021 ルキウスとステラ(その6)
「……わかりました。今回はレオーネ様のご厚意に甘えさせていただきます。でも、なら、もうレオーネ様も、あのぉ……き、気を失われたことを気にしないで下さい。本当にわたしは気にしていないので。ね、これでいかがですか?」
「うーん、はい。そうします。わかりました。――あっ、そうだ、それとレオーネ様じゃなくて、フィリッポみたいにルキウスって呼んでいただけますか。あの、ぼ、僕も、ステラさん、と呼ばせていただきます……ので」
顔を赤くしながらお面に向かって話すルキウスは、ちょっと滑稽だが本人的にはかなり勇気を出している。
「…………はい」お面の娘ステラは少し下を向いて恥ずかしげなオーラをかもし出している。どうやら照れてるらしい。
「よっしゃ。なんかよくわからんがいい感じにまとまったみたいだな。なら、もうステラちゃんのお面、外してもいいんじゃねえの? なっルキ、お前、大丈夫だよな?」
マルクスがちょっと意地の悪い目をしながらルキウスに声をかける。
「なっ!? だ、大丈夫に決まってるじゃ、ないか……」
ルキウス、虚勢を張るもやや不安気な面持ち。
「あーっ、スぅ姉さまぁ、アーたちもそのお面被りたいぃ」と、アリアとアンナがお面の娘ステラの周りをぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「ダメですよ。これはフィリッポさんにお借りしてる物なんです。お返しする物です」
えー、ちょっともダメー、などと言いながらアリアとアンナはチラチラとフィリッポを見る。
「い、いや。気に、気に入ってくれたのなら、あげるよ」と頬を少し赤くしながら言うフィリッポ。
「ほんとぉー。フィルは優しいから好きぃ」
アリアとアンナがフィリッポの手を取ってまたぴょんぴょんと跳ね、フィリッポはフェリシアの髪よりも顔を真っ赤にして、されるがままに俯いている。
「んじゃステラちゃん、お面外しなよ」
真っ赤になって照れているフィリッポを、横目でニヤニヤと見ながら言うマルクス。
「はい。では」と、お面の娘ステラがお面に手をかけ、さっ、と外す。
ステラは、お面を外すときに乱れた髪を少し左右に振って整えると、正面にいるルキウスに向き直り、ニコリと笑顔を向けた。
バタン!
「ルキウスぅー⁉」その場にいる全員が叫んだ……




