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018 ルキウスとステラ(その3)



 「あの、あの、レオーネ様も皆様も落ち着いて下さい。わたしは大丈夫です。わたしがお見苦しいものをお見せしたからレオーネ様も、その、なんというか……そう、きっとご不快だったのです。申し訳ありません」



 今度はお面の娘ステラが立ち上がって頭を下げる。



 「いやいやいや、ステラちゃんは悪くねえよ。ルキ、お前が悪い!」



 「そうです。マルクス様と同じなのは心外ですが、ステラさんは何も悪くありません。顔を上げて下さい。ねっ」



 フェリシアがお面の娘ステラの肩に優しく手をかけ、体を起こした。



 「いや、これは本当に僕が悪くて、店主さんは悪くありません。お詫びになんでもします。かまわないので何でも言って下さい」



 「よし、じゃぁお前。酒買ってこい。俺はまだ飲みたりねぇ」



 「ツキノに言ったんじゃないよ」



 余計なこと言わないで、とフィリッポが銀髪のヒヨリ=ツキノの袖を引っ張る。



 「あっ、あの。まずはお店。プグナで結構めちゃくちゃにしちゃったので、お店の修繕費は僕が全部持ちます」



 「ルキウス兄ちゃん。それは当然だろ。揉め事起こしたのは兄ちゃんなんだから。それに店の修繕はおいらが手配してもう始めてるよ。この店ってうちの商会が貸してるから、グールヒポダイルのルキウス兄ちゃんの取り分から引いとくね」



 「えっ? そ、そうだね。よろしくフィル」



 「あっ、フィリッポさん。お店の修繕費ならわたし払えます。フフッ、実はわたし賭けに勝ったんですぅ」



 お面の娘ステラは手を挙げてそう言うと、両の手を握って軽く腕を曲げ、よし、という感じのポーズをとる。どうも喜んでいるようだ。



 「賭けに勝った?」



 その場にいた全員、頭を下げていたルキウスまでも顔を上げ、何それ? という感じでお面の娘ステラを見る。



 「うふふっ。実はですねぇ。アリアを治療してからお店に戻るとピエトロさんが『このままでは賭けが成立しない』っておっしゃってたんです。なので『どうしてですか?』って訊いたら、『レオーネ様に賭ける人がいない』っておっしゃったのでわたしが賭けました。その日の売上全部です」



 手のひらを胸の前で合わせて体を左右にピコピコ振って嬉しさ満開、とアピールしまくるお面の娘ステラ。



 「売上全部!」唖然とする一同。



 「はい! だからきっと修繕費分は稼げたと思うんです」





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