表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

女騎士『んほぉぉぉぉ!!』シリーズ

オーク「念願の女騎士を手に入れたぞ!」 女騎士「んほぉぉぉぉ!! 私以外の女騎士としたら殺すぅぅぅぅ!!」 オーク「しまった!こいつヤンデレ女騎士だ!!」

作者: しいたけ

出オチには……させない!!

 蝋燭の明かりだけがその場を照らす洞窟の奥深く。虫が沸くほどに腐り果てたオークの死体の山が連なっていた。


「私以外の女騎士と浮気しやがって……」


 死体の山の一番上に、今し方絶命したオークの首無し死体を荒々しく投げた。


 彼女の名は【アヘッティーナ・イグゥゥル・ヤンデレー】。名は体を表すが如く、ご多分に漏れず酷いヤンデレである!


 自ら進んでオークの巣窟へと脚を赴き、自ら進んで身を委ねる。しかし決まって気に入った一人のオークとしか事を為さず、しかもそのオークが他の女騎士と関わることを酷く嫌った。


 そしてアヘッティーナは次なるオーク(獲物)の元へと足を運ぶ―――



「誰だ!!」


 オークの巣窟の前で、見張りに止められたアヘッティーナ。


「女騎士だ……」


 アヘッティーナがそう一言発すると、見張りのオークは目の色を変えて仲間の元へと走って行った。


「おーい! 女騎士が来たぞー!!」


「!?」

「女騎士!?」

「女騎士だと!!」


 我先にと狭い洞窟内を駆けるオークの群れ。現れた大勢のオークの中から、アヘッティーナは物静かそうな優しい顔つきの青年オークを選んだ。


「貴方の……お嫁さんになります」

「……え!?」


 青年オークの手を取り洞窟内へと引くアヘッティーナ。残されたオーク達からは遺恨怨恨怨み辛み妬み嫉みの声が連なっていた。


「貴方の部屋へ連れてって♡」

「お、おう……」


 青年オークは何故女騎士が急に現れ、何故自分が選ばれたのか全くの謎だったが、女騎士から発せられる甘い香りに全てがどうでもよくなっていた……。


「ココがオレの部屋だ……」

「……あら? これは何かしら?」


 アヘッティーナが目にしたのは見知らぬ女騎士と仲良く映る青年オークの写真立てだった。


「……昔助けた女騎士との記念だ」

「ふぅん……」


  ―――ビリビリッ!!


「な、何をするんだ!!」


 アヘッティーナは写真を細かく破り捨てた!!


「私が居るんだから、もう昔の女騎士は要らないわよね?」


 笑顔で話し掛けるアヘッティーナの奥底に、青年オークは地獄の底の住まう鬼より恐ろしい何かを見た。


(とんだ女騎士に目を付けられてしまった……!!)


 青年オークはとても嫌な予感に襲われたが、最早逃げることは叶わぬ定め。


「さあ、始めましょ♡」

「……何をだ?」


「何って……♡よ。これからは朝昼晩の一日3セット、1セットで7回するから計21回ね。頑張れ♪」

「……えっ!?」


 青年オークは狼狽えた! 仲間内でも伝説の性豪オーク【オンナキシ・オカスタメ・ウマレター】ですら一日に15回が限度だったからだ!!


「因みに、出来なかったら……削ぎ落とすからね?」

「…………(オワタ)」



「んぼぉぉぉぉ!!」

「ひぎゃぁぁぁぁ!!」

「うげぇぇぇぇ!!」


 それからというもの、昼夜問わず青年オークの寝床からは燦々たる悲鳴が聞こえるようになった。そして青年オークは日に日にやつれていき、終には力尽き倒れてしまった。


 相手の居なくなったアヘッティーナは次なるオークに狙いを定めた。しかしアヘッティーナを知るオーク達は巣から逃げ出し、アヘッティーナは一人孤独に自分の家へと戻った。



  ―――コト


 アヘッティーナの部屋に並んだ大量のオークの頭蓋骨。


「また一人仲間が増えたわ。皆宜しくね?」


 青年オークの頭蓋骨を一撫ですると、その頭部に優しくキスをした。


「皆に囲まれて、私ってなんて幸せ者なんだろう♡」


 紅茶を嗜み静かに一人一人との思い出に耽るアヘッティーナ。彼女の闇が晴れることは……無い。

読んで頂きましてありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いつも笑わせていただき有難うございます<(_ _)> お陰で腹筋がちょっと逞しくなったかも?(゜∀゜)
[一言] やとのかみ、とか7人御前(会うと死ぬ妖怪)みたいな。 浮気すると斬られる、しないとエナジードレインで涸れ果てる、逃げ場なし。
[一言] ♡したのか・・・俺以外の女騎士と・・・(東山並感)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ