第一話
少々長くなっておりますが、
ゆっくりお楽しみください。
ではどうぞ!
三日後のお昼頃、やっと準備が終わった。荷物を持ちここなを連れて、マジックスクールへ向かった。
お母さんに、ずっと会えないのが寂しくて、準備をゆっくりにしていたから、
かなり時間がかかっちゃった。今日の朝だって、
『じゃ、行って来るね。頑張ってくるし、体にも気をつける・・・・じゃ、行ってきます』
としか、いえなかったし。はぁー、スッごく楽しみなのにちょっと不安・・・・・・。
そういえば、美香に何も言わずに出てきちゃった。
まぁいっか、私が家に訪ねても、ずっといなかったし。
お母さんがなんとか言ってくれるっていうし。あの美香ならきっと怒んないよね。
マジックスクールに行くと、いつものようにナイト・ハニーさんが待っていた。
「待っていましたわ。真理さん校長室へどうぞ。クレップ校長が待っていますわ」
この緊張感、前にも体験した気がする。こんこんとドアをたたいて入った。
「はい、どうぞ」
「こんにちは」
「こんにちは、真理さん、今日、入学するそうね。来てくれてうれしいわ。あのねあなたに、
ここでの名前をつけようと思うの」
「名前ですか・・・・」
そっか、マジックスクールに入ったら、名前がもらえるかもって言ってたっけ。
「ええ。そうね・・・・・北野の北を英語にしてノース。真理を伸ばして、マリーとかでいかがかしら」
「はい、いいです。いいと思います。」
ノース・マリーか、なんか不思議な感じだけど、
これに否定したらよけいに変な名前になりそうだし・・・・良さそうな名前と、思っていなきゃ。
「良かったですわね」
ナイト・ハニーさんも喜んでいるし。こんなんでいいよね。
「気に入っていただけて、良かったです。では、ナイト・ハニーさん。
ノース・マリーさんを寮へ連れて行ってくださいな。
あっ、その前に真理さんの紹介をお願いします」
紹介?どこでやるんだろう?
「はい!」
よし!名前、まだなれていないし、なにかわからないけど、頑張るぞ!
えっ、ここはグラウンド?寮にいくはずなのにどうして?
えっ、私はナイト・ハニーさんに、背中を押されてグラウンドに出された。
「何するんですか!」
「これから、あなたをみんなに紹介するんですわ」
校庭には、人がいっぱいで、朝礼台にはクレップ校長が立っている。
「しょ、紹介?紹介ってどうやって・・・・」
「皆さん、おはようございます。今日は転入生を紹介します。ノース・マリーさんです。どうぞ」
みんなの視線が、私に向いた。じろじろ見られて少し怖い」
「さ、ノース・マリーさん」
と、ナイト・ハニーさんにまた、背中を押され前に出た。大きく深呼吸して喋る。
「こんにちは、わ、私、ノース・マリーです。今日転入してきました。よろしくお願いします」
パチパチパチパチと、拍手がおきた。
「マリーさん、ありがとうございます。これで朝礼を終わります。」
「みんなが、ぞろぞろ帰っていく。なんか、一仕事終わったって感じ。」
「では、いきますわよ」
「ちょっと待ってください」
「はい?」
「正門を見たいんです。なんか、ちゃんと見たことがなくって」
別に今見る必要はないんだけど・・・・・。
なんとなく、頑張るぞって、思いたくて・・・・・・・。
「わかりました。ではどうぞ」
あれ?さっきみた景色と違う。
「ごめんなさい、言い忘れていたわ。マジックスクールに入ると元いたところがなくなって
魔法使い・魔女だけの国になるの、ここは、ルフレモンド王国というの」
「へー、ルフレモンド王国」
どうしよう、すぐには家に帰れないのかなぁ。お母さんに会えないのは・・・・・・・・
ちょっと困るんだけど・・・・・・・さびしいし・・・・・・。
「あの、ありがとうございました。もう、大丈夫です」
「はい、では行きますわよ。ノース・マリーさん」
「あ、はい」
一瞬私が、ノース・マリーだって事忘れてた。そしたら急にナイト・ハニーさんが止まった。
「あっ、そうだ。そろそろ元に戻ってもいいのではないのですか?」
「えっ、何がですか・・・・・?」
「その犬のことよ」
犬がどうかして・・・・・・・・・。
「あ、やっぱりわかってたんだ」
そしたら急にここなが、喋りだした。何、いったい何が起こっているの?
今度は、ここなが動き出した。廊下に降りてすごい光が、そしたら急に人間になっていた。
「えっ、えー何?何で、ここなが人間になってるの?」
何が、どうなっているの?目が、光を浴びてチカチカしてる・・・・・。
「大丈夫?真理、いや、ノース・マリー」
ここなが、黒髪のロングヘアーの女の人になっていて、優しい感じで喋っている?
そしたら、急にナイト・ハニーさんが言う。
「やっぱりそうだったのね、ここなさんでしたかしら・・・・・・・・」
えっ、何が起こっているの?そしたら、人間のここなが喋った。もう、わけわかんない。
「ばれちゃったんならしょうがない。えっと、ナイト・ハニーさん?」
なんか、喧嘩しそうな雰囲気だし・・・・・・・!
「えっちょっと、ここな!何で人間になってるの!てか、なれたの?!」
どうなっているか、誰かぁー説明してー。
「混乱しているね。じゃあ説明するよ」
「ありがとう、教えて!」
お願い、出来るだけわかりやすく説明して。
「まかせて、じゃあ話すね。あれは、二年前。私がまだここ、マジックスクールを卒業してすぐのこと。 家の近くの広場でとてもすごい爆発があったの。それに飲み込まれてしまって、気がついたら
ノース・マリーがいた町にいて、そっから一年間いろんな動物になりながら生きてきたの。
でも、一年前にノース・マリーを見つけてついてきたの。で、こうなったの」
「えっ、何で私についてきたの・・・・・」
なんか事情はあるみたいだけど・・・・いったいなんで、私についてきたの。
「だって、あなたには、魔法の才能がありそうだったんだもん」
「そっか」
嘘っぽいけど。まぁうれしいしいいかな。でも、本当に人間なら本当の名前はなんだろう?
聞いてみよっ。あれっ、ナイト・ハニーさんがすごい嬉しそうに私を見ている。
何!急に怖いよ!
「どうしたんですか・・・・・ナイト・ハニーさん」
「いいですね、ノース・マリーさん!ハウ・ココナッツさんと一緒に暮らせて」
なんか、すごく目をきらめかせて・・・・。圧力がすごい。
「えっ、ハウ・ココナッツさんって誰ですか」
「ここなさんのことよ」
「そうなのここな?」
初めて聞くことが多すぎる・・・・・・。
「そうだよ、私マジックスクールでの名前は、ハウ・ココナッツって名前だったの。
でも、ここなって本名と似ているから、ここなって呼んでいいよ。
それに、お母さんがマジックスクールに行くことを許可してくれたのも私のおかげだよ」
「そうなんだ、ありがとう。でも私は、今家にいないよ。お母さん心配しない?」
お母さんに、家出とか思われて警察とかに話して、大捜索とかになったら、大変だし・・・・。
「大丈夫。私の魔法で、あっちにいる真理はいることになっているんだ」
なにかすごそうな、魔法。ここに通えばそんな魔法も使えるようになるのかな。
「でもなんで、ナイト・ハニーさんが、ここなの本名を知っているんですか?」
よくわかんないけど、ここなが色々なことをしてくれて、なんかちょっとうるうる。
「それは、私の姉がココナッツさんと同級生でたまにあっていたからです」
「へー知り合いだったんですか」
「そうなんですの。ですがここでは、ここなさんは犬です。人前では喋らぬようくれぐれも気をつけて」
「はーい、わかったよ。喋らないようにするね」
「お願いします。では、寮へ行きますわよ」
はい!さっ、ここな行くよ!
そしたらここなが犬に戻った。ここなが人間!なんかまだ、頭がぐちゃぐちゃ。
でも、寮へ歩いていると、少しずつ落ち着いてきた。寮の前で、ナイト・ハニーさんが止まった。
「この寮は、三つに分かれているのです。三百部屋あってそのうちの二百五十部屋は四人部屋で、
残りの四十部屋は五人部屋です。後の、十部屋は一人部屋になっています。
それにここ、桜寮の寮長は、私がやっていますから、何でも聞いてくださいね」
「はい」
へー、四百へやってことは大体・・・・千二百人が入れるってことか。
さすが、魔女学校いっぱいの人が止まれるようになっているんだ。それに、十部屋しかない
一人部屋って誰が住んでいるんだろう?もしかしたら、
ナイト・ハニーさんも止まってたりして。でも、ナイト・ハニーさんが寮長だったなんて、初耳。
「つきましたわ。ここが、ノース・マリーさんが暮らす桜寮の角部屋の五人部屋ですわ」
あっ、寮ここだっけ。前にも見に行ったのに、ここで暮らすってだけで、景色が違う。
どんな生活が待っているんだ・・・・。
「さっ、入りますわよ」
「はい」
ガチャ。やばい、緊張する。いったい、ルームメイトってどんな子だろう。
「こんにちは。私、転入生のノース・マリーです。よろしくお願いします・・・・・」
今回も読んでいただきありがとうございました。
今回から、やっとマジックスクールでの生活が始まりました。
では、次回もお楽しみに!