第三話
お待たせしました!
では、どうぞ!
「あら犬を連れているの?」
「は・・・はい」
ば、ばれたー。どうしよう、ここ動物禁止だったり・・・・。禁止じゃなくても、喋る犬とか
絶対おかしいよね。それに、『なんで、喋れるの?』
って、言われても、急に喋っただけで・・・・私は何にも知らないし・・・・。
「マジックスクールは、犬も大丈夫なのよ。どう?もう、全部見せたしマジックスクールに入学する?」
「え、ちょっと待ってください。喋る犬がいて大丈夫って、どういうことですか?」
まって待って、なんか普通に流されてる。全然、質問されるとか、怒られる雰囲気ないし!
良かったー、けど何で?
「真理さん。あなた、犬に喋れるようになる魔法をかけたのでしょ?すごいわね、
教えてもいないのに魔法が使えるなんて。きっと、才能よ。それに、
その犬が真理さんを助けることもあるかもしれないわね」
「ね、だから大丈夫って言ったでしょ」
またここなが、自信満々に喋ってる。別に、魔法をかけたとかじゃなく、自然に喋ってるだけなのに。
「で、もう1回聞くけど、マジックスクールに入学するの?しないの?」
なんか、入学のほうが怒り口調だし・・・・・・・・・・・
まだ、わからないですって言うつもりだったのに・・・・・。
「お母さんに聞いてみます」
って、いつの間にか声が出ていた。
どうしよう、お母さんになんていえば・・・・・・。
安全な学校みたいだし、私は行きたいんだけど・・・・・・。
悩みながらも、帰ってきてすぐにマジックスクールのことを話した。
「へー、全寮制なの」
「うん。それに、ここなも連れて行けるの」
「でも、駄目よ。危ないし、本当に安全かもわからない。そんなところに、真理を預けられないわ。
当たり前でしょ」
やっぱり駄目か、そうだよね。これで、私の魔女になる夢もおしまい・・・・・・・。
その時、急にここなが来てお母さんに飛びかかった。まさか、ここなってば、お母さんが、
私に入学の許可を出してくれないのを怒って・・・・・・・。
どうしよう、本当にお母さんを怒らしたらまずいよ。
「へー、いいじゃないの。どうなの?真理は」
「えっ、『どう』って。何が・・・・・・・?」
え、お母さん?どうしたの、さっきまで反対していたのに。
まさか、怒りすぎてなにかわかんなくなっちゃった?!
「そりゃあ、あなたが行きたいのかどうかってことよ」
私は少し考えてから答えをだした。
まぁ、答えは決まっているんだけど、お母さんと離れることになっちゃうし・・・・・でも。
「私は行きたい。マジックスクールに」
「なら、行けばいいじゃない」
「本当?言ってもいいの!じゃあ明日、入学手続きに行く!」
やった!許してもらった。これで行ける!魔女になれるかも!
「行ってもいいけれど、もう寝なさい」
「はーい、おやすみなさーい」
「はい、おやすみ」
それにしても、いったいどうなっているんだろう?
急にお母さんが、行ってもいいっていうなんて・・・・・・。
はぁ~でも、明日か~楽しみだな。さっ、もう寝よう。
やっと朝になった。魔女になれると思ったら、全然眠れなかった。うきうきしながら、
ここなもつれて、ナイト・ハニーさんに会いに行った。
「決めたのね。で、どうするの」
「にゅ、入学します」
うわぁー、言っちゃった!これで、魔女になれる!
「そう、じゃあこちらに」
「はい」
いつもより、ナイト・ハニーさんの声が高ぶっているような気がする。
すると、私は校長室に案内された。
どうやら校長先生と、入学手続きをするらしい。
ナイト・ハニーさんだったら、少し緊張がほぐれるのに・・・・・・。
校長先生だったら、すっごく緊張しちゃうじゃん!
「それでは、これから入学手続きを始めます」
とても優しい声で、話を進めてくれた。
本当だったら、お母さんも一緒の入学手続きなのに。ナイト・ハニーさんが、
親は大丈夫と言っていたので連れてこなかった。
校長先生も、ないも言わないし・・・・・・大丈夫かな・・・・・・。
それに、ここながいるとしても、やっぱり一人って気がしてちょっと怖い。
「マジックスクールは全寮制で女子校。夏休み・冬休み・春休みしか、家に変えれません。
いいですか」
きゅ、急に話しかけてきた。緊張しているからか、いつもよりびっくりしちゃう。
「はい、大丈夫です」
ふぅ~すごいドキドキしている。あっ、一つ聞かなきゃいけないこと忘れてた。今聞かなきゃ。
「あの、入学金っていつ払えば・・・・・」
どうしよう大切なこと忘れてた。私、全然お金持ってないし・・・・・・。
そうしたら校長先生は笑顔で言ってくれた。
「入学金は、大丈夫ですよ。スカウトやお手紙が来た方は魔女になる資格がすでに備わっている
とみなしているので、大丈夫です。それに、これからかかる費用も同じように大丈夫ですので
安心してくださいね」
良かったー。でも、スカウトや、お手紙が来た人は入学金要らないってすごい学校。
「では次に、これがマジックスクールの校則。それと保護者様に渡すお手紙・・・・・・
最後に入学する時の持ち物。持ち物と校則のところは、今読んでくださいね。わからないところが
あれば、質問してください」
何々持ち物は、アメニティ用品・衣類・タオル等・筆記用具・雨具・本(漫画は不可)・
ペット(いるひとは)・ペット用品・校則の紙・連絡手段が取れるもの・・・・・・・・・・。
校則は・・・・・・・・・・・・よし。
「はい、確認しました」
「それでは。この、誓約書に目をとおして」
「はい」
えっと、『私は、貴学園受講生として、定められた校則を守り、魔法の研究・勉学につくすこと
を誓います。そして、校則を破った場合の処罰に関しては、一切の意義を申しません』
なんか、すごい文だ。これはお母さんに読んでもらいたかった・・・・・・・。
「読みました」
「では、最後に、この誓約書に印鑑を押してください」
やばっ、持ってきてない。どうしよう。あっ、なんだろう?バッグのそこに『たぶん使うよ』
って付箋に書いてあるものを見つけた。下には印鑑があった。
あってよかった・・・・・。よし、じゃあ印鑑を押して・・・・・・・・・・。
「えっ、えっ、何!」
突然、目の前に強い光が現れ私を包んだ。
「大丈夫?」
そ、その声は、ナイト・ハニーさん。強い光を浴びたのに、ニコっと笑って、私を見てくれた。
で、校長先生は・・・・・・・・・・・・・・・。
「大丈夫ですか?これで手続きは、終わりです」
と冷静に話している。私は・・・・・・寝ている。いけないいけない・・・・・
起き上がらなきゃ。私はベットの上で座った。
「ここは?」
「保健室です。気分は、悪くないですか?」
「はい、大丈夫です」
私、倒れちゃったんだ。さすが校長先生はよく平気だなぁ。
「それは良かった。では、いつから寮に入りますか?」
「えっ、寮・・・・・どうしよう」
校長先生・・・・・急に話しを変えてきた。
「いつでもいいですよ」
「わかりました。では、また来ます」
「はい、待っています」
いつでもいいって、いつにしよう。お母さん、昨日みたいに優しく考えてくれたらいいな。
帰ってすぐ、お母さんに相談した。
「お母さん、どうしよう。いつから、寮に入ったらいいかなぁ」
この、相談にお母さんはとても真剣に聞いてくれている。昨日だったら、決してそんな風には
聞いてくれなかったのに。昨日、ここなが飛びかかったおかげかな。何をしたのか、わからないけど。
「そうね、真理が寮へ行く準備が出来てからで、いいんじゃないの?」
「そうだね。うん、そうするよ」
はぁ~楽しみだなぁ。どんなことするんだろ?でも、新しい学校で急に人間の私が来て、
みんなになじめるかなぁ。お母さんとも離れるわけだし・・・・・・。
でも、魔女になれるなんてこんなチャンスもうないかもしれないし。
ここは、思いっきり楽しむべきだよね。
今回も読んでいただきありがとうございます。
お話の中の「校則」は、しばらくしたら、書きたいと思います。
次回もお楽しみに!