第七話
大変おまたせしました!
では、どうぞ。
あれ?なんか短かったなぁ、もう三週間たったのか・・・・・。あっというまだな。
まぁ、それぐらい楽しいって事だけど。
「おーい食堂へ行くぞ」
「今日の朝食、何でしたっけ・・・・・」
この会話も、もう慣れたもんだよ。毎日のようにこの話してるし。
「確か、目玉焼きと飲み物とサラダとデザート、パン・ご飯を選べたはずだよ!」
ラシエルが毎回メニューを覚えてるんだよね。そんなに好きなんだなぁ。
〈食堂〉
「いただきます」〈四人全員〉
「そうだ、最近なんか、ナイト・ハニーさん変じゃないか?どう思うマリー」
これも毎日おんなじ。リタがいつも急に話を振り出して・・・・・・
えっ?ハニーさんが変?
「そうかな、そんな変わった漢字はなかったけど」
なんだろう?何か変だったかな。私も、ここ一週間ぐらいあまり話してなかったし・・・・。
「それ、聞いた事ある。喋り方が変わったり、急に飛んだりするんだって」
「そうなのか?ラシエル」
そうなんだ・・・・私はそんなハニーさんの様子気がつかなかったけどな。
私のほうが、ハニーさんと仲いいはずなのに。ラシエルのほうがハニーさんのこと知ってるんだ。
「うん」
「なんか怖いですね・・・・・」
「それで、ちょっとナイト・ハニーさんがどういうふうに変なんか、探ってみないか」
「どういう風に?」
探るって、まぁリタが好きそうなことだけど・・・・・。
「尾行てきな」
「尾行って駄目でしょ」
何、刑事ドラマみたいなことやってんだか。どうせ実行しないんだろうし、
とめなくてもいいんだけど。一応ね・・・・・。
「そうか?じゃあ直接ナイト・ハニーさんに聞くのはどう?
ナイト・ハニーさん最近変じゃないですかって」
すごく失礼だよ。そんなことハニーさんが聞いたら、絶対怒られるに決まってる。
でも尾行よりはまだましかも・・・・。
「それも、なんか変だね」
「だろ、そんなにすごい尾行じゃなくてさ、後を追ってみるって感じ」
「えっ、でもそれ・・・」
それを、尾行って言うんじゃ・・・・・マジで、実行する気なの?
「賛成ーやろやろ」
「えっ、ちょっと待って・・・」
「やってみましょうか・・・・後を追うだけなら」
バーレットまで・・・・・・。
「さぁ、どうするの?マリー」
「うん・・・・・・・やってみよっか・・・・・」
「よしそうと決まれば、今日決行だ。丁度今日は珍しく授業が午前中はお休みだからな」
決まっちゃった。よりにもよって、ハニーさんに聞くよりやばいことを・・・・・。
何で今日、午前中がお休みなんだよっ!
「オッケー」
「うん」
「やりましょう・・・・」
ひゃぁー、絶対怒られる。ハニーさんに友達やめるとか言われたら、私・・・・・。
「それならさっさと食べていくぞ」
「ごちそう様でした」〈四人全員〉
「あっ、ハニーさんいるよ」
ああっ、何でハニーさんがいること教えちゃったんだよ。そのままハニーさんを捜して、
時間をつぶせれば尾行なんてしなくなるのに・・・・・。
「お、丁度いい、もう食堂から出るみたいだし、行くか」
って、ほんとにやるの?なんかタイj変なことに巻き込まれそうな予感。絶対怒られる。
「こっからは、ひそひそ声で喋るぞ」
みんなでこくんとうなずいた。みんな、なんか集中してる。わっと、ハニーさんが寮に入って・・・。
って、そんな場合じゃない。これ、駄目なことだよね・・・・・。
「ハニーさんが部屋へ入っていくよ、リタ」
でも、少しだけ気になっちゃうんだよね。私だって、ハニーさんのこと心配だし・・・・。
「えっ、どこだ?」
「そこだよ。何でかわかんないけど、ひとり部屋のとこ」
私は、ハニーさんのいる方向を指さした。
「あぁ、あそこはナイト・ハニーさんの部屋だよ」
「ハニーさんの部屋って寮長室じゃないの?」
「寮長室とは別で自分の部屋もあるんだよ」
「へー、そうなんだ」
やっぱり、ハニーさんは一人部屋に住んでたんだ。ここでも私より、リタのほうが・・・・・
ハニーさんのこと知ってるんだ。って、笑いながらいわなくても・・・・・。
全然ひそひそ声じゃないじゃん。
「きゃははははははははは」
何?私がハニーさんのことをよく知らないからって笑わなくても・・・・・あれ?
ラシエルも、バーレットも笑ってない?もしや、お化け?
ないない、ここはお化け屋敷じゃないんだから。でも、なんかやだ。
私達の寮だけど、なんか今は怖い・・・・。もう、尾行やめようよ。怖い思いして、怒られるとか最悪。
「えっ、誰の声ですか・・・・」
「ナイト・ハニーさんだと思うよ。大丈夫だよ、バーレットそんなにおびえなくても平気。
そうだよね、リタ、マリー」
「う、うんもちろんだよ」
怖っ、何でこんなことしなきゃいけないんだろう。
でも、ハニーさんがあんな笑い方をしてたら、もっと心配してきちゃったよ。
あれが、ハニーさんの声?信じられない、なんだか低くてかすれてたし。
やば、震えが止まらない。だから反対だったのに。
「マリー、ナイト・ハニーさんとお友達なんだろ?話しかけてきて!私達も後ろからついていくからさ」
「やだよ!リタが話しかけてよ」
なんで、そういうときだけ私なの?私だって怖いんだから・・・・。
「ほら二人とも喧嘩しないの、ナイト・ハニーさんが気づいちゃうでしょ」
「ゴメン」
「ごめんね」
ラシエルは怖くないの?なんとなく、楽しんでいるような感じがするんだけど・・・・。
それにしてもそうだった、喧嘩なんかしてる暇ないのに。あれ?なんか薄暗くなってない?
寒気もするような・・・・。ひやぁ、よけいにお化け屋敷っぽくなってきたよ。
「よし、じゃあ行こうか」
「うん」
「オッケー」
「はい・・・・・」
〈ガチャ〉震えた手でドアを開けた。
「あのう、失礼します」
「誰?あなた達」
「えっ」
黒い煙が、人を包むように見えた・・・・・何がおきたの?
「今の見た?」
ラシエルが驚いた顔で私に話しかけてきた。うしろで、バーレットも腰を抜かしてる。
そりゃあ、驚くよね。だってそこにいたのはハニーさんじゃなく、制服でもない。
黒髪で、目がギロっとした女の人だったから。
「は、ハニーさん!」
ハニーさんがぐったり倒れてる。あれ?でも、今そこにいたのはハニーさんじゃなかった。
じゃあ、何でハニーさんがここに・・・・やっぱりあれはハニーさん?
「とにかく保健室に運ぼう。マリー」
「うん、そうだねリタ。ラシエルとバーレットは歩ける?」
「うん大丈夫」
「はい、なんとか・・・・」
みんな、無事で何よりだよ。黒い煙って危なそうだし、何かあったら大変だもん。
「それじゃあ、ラシエルとバーレットは、先に部屋に戻っていてくれれるか?
保健室には、私とマリーで連れて行くから」
そっか、ハニーさんを連れて行くのに四人も要らないもんね。
それに、バーレットもなんか疲れてそうだし。
「うん、わかった!待ってるね」
「はい、戻ってます・・・・」
「よし、じゃあ行くぞマリー」
「うん」
なんとか保健室には連れてきたけど・・・・大丈夫かな?もう、かれこれ三十分ぐらい経ってるし。
「目覚めないな、ナイト・ハニーさん」
「そうだね、リタ」
どうしちゃったんだろうハニーさん。倒れてたし、さっき見た人っていったい。
「ここはどこ・・・・?」
「おはようございます。大丈夫ですか?ハニーさん。リタ、ハニーさん起きたよ」
よかった、顔色は悪くなさそう。だけど、声は元気がない。寝起きだからかな。
「ええ、大丈夫ですわ。ありがとう」
優しいハニーさんの声すきだなぁ。友達の時とおんなじ声で安心する。
「おぉ、よかった。ナイト・ハニーさん、何があったんですか?」
「えっ、何がって何ですの?」
ひゃう、生徒会長のハニーさんに戻った。急に声を張り上げたら、体に悪いよ。
私は、さっき見たことをすべて話した。黒い煙が出ていたことも、変に笑っていたことも全部。
「わたし、そんなこと少しも覚えてないですわ。かなり前から途切れ途切に記憶があって。
最後はそう、確か二日前に授業から帰るまでですわ。それから今までの記憶がありませんわ」
かなり前って、私が来る前から?何でそれを、いわなかったんだろう。
健康報告の時にでも、話してくれれば・・・・。
「そうなんですね。今の聞いた?」
「あぁ、それでさっきマリーが話していた、黒髪の女の人ってご存知ですか?」
あっ、そうそう。それも聞かなくちゃね。
「いいえ、知りませんわ」
じゃあ、いったいあの人は何者なんだ?まさか、侵入者?なんて・・・まさかね。
「そうですか、ではハニーさんはここで休んでいてください。私達はもう行きます」
「うん、バーレットたちも待ってるしな。では、失礼します」
「はい、ありがとうございました。お気をつけて」
最後まで呼んでいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。




