第六話
大変お待たせしました。
ではどうぞ!
ドキドキしながら、校庭まで来た。みんな、自分のほうきを持って座っている。
ラシエルたちも、さっきほうき置き場って書いてあるところに、取りに行っていた。
いいなぁ、早く私もほうきほしい。どこで買うかはわからないけど、羨ましい~。
「さぁ、飛行の授業を始めます」
次の授業はシルフィー先生か、空を飛ぶなんて生まれて初めて。まぁ、当たり前だけど。
「空を飛ぶことが始めてのマリーさんは、私のそばにいてください。直接教えます」
「は、はい」
やっぱり、私も空を飛ぶんだ。なんだか、急に緊張してきた。
「頑張ろうね」
ラシエル、言葉が軽いよ。頑張ろうねといわれても・・・・・うぅ、やるしかない。
「うん、ありがとうね。ラシエル」
ラシエルは、ニコッと笑ってほうきにまたがった。
「さぁ、皆さん。ほうきにまたがって地面をけって、宙に浮いてください」
っお、みんな中に浮いてる。どうやったら浮けるんだろう。
きっと、これは魔女の血が流れてないと無理だというか・・・・・・
私なんかに、出来ない気がする・・・・・・・・・・。
「それでは空を飛んで、十分したら降りてきてください。まだ練習を少ししかしていないので、
屋上より高くは飛ばないでください」
「はーい」
ここでも、みんな息ぴったり。
「ではマリーさんも、一緒に空を飛ぶ練習をしましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
ついに私の番。よし、やるぞ!
「そんなに、緊張しなくて大丈夫よ。あぁそれと、まだマリーさんは自分のほうきを持っていないので、
予備のを持ってきました」
「ありがとうございます」
渡してもらったほうきは、少しぼろいけど今だけ私のほうきだ。なんか、うれしい♪
「では、まずほうきにまたがって」
「はい」
「もうちょっと前に」
「はい」
もう注意受けちゃった・・・・・やっぱり私には、飛べないんじゃ。
「そうそう、それから軽く地面をけって、ジャンプして」
「こんな感じですか?」
ほうきを、手で持っているからジャンプしにくい・・・・・・
それに、飛べてないから、子供が魔女ごっことかしてる感じ。
「いいよ、いいよ。その調子、今度はもっと高く飛んでみて」
ふゎ、あれ?飛べた?飛んだといっても十センチぐらいだけど。ほうきがすごいのかな?
「すごい、二回で浮けましたね」
「ありがとうございます」
あれっ、もう浮かなくなっちゃった。まぁ、きっとほうきの力だしこんなもんでしょ。
「では次に、浮きながら軽く進んでみましょう。まず宙に浮いて、それから体を前に倒す感じで、
飛んでみてください」
「はい、やってみます」
浮いてから、体を前に倒して進む!
「危ない!そんなに前に倒したら」
えっ、危ないって?痛っ、これで・・・・本当にいいのかな?きっと、危なかったんだよね。
転んじゃったんだもん。やっぱり、私には才能なんてもんないんだよね・・・・きっと・・・・・。
「大丈夫?マリーさん」
「だ、大丈夫です」
「気をつけて、でも私の言い方が悪かったですね。前に倒れる感じではなく、押す感じでやってみて」
「はい、わかりました」
空を飛ぶって大変。さっ、もう一度浮いて前に押す。浮いた、前に押して・・・・出来た!
「そうです、これで出来ました。よかったね」
初めて飛んだ・・・・・飛べた!実感わかないけど、やっと飛べるようになった。
「おー、よかったね。マリー飛べたじゃん!」
「あっ、ラシエル。もう飛び終わったの?」
空から、ヒューって感じで降りてきた。なんだか、同じ一年生なのに先輩に見える。
「うん、丁度十分だしね」
「あっ、そうでした。もう時間ですね。皆さん集まってください。どうでした?ちゃんと飛べました?」
みんな、元気にうなずいてる。さすが、魔女の血が流れてる人たち!
「では次に、命綱をつけて屋上から飛んでみましょう。下にはネットがかけてありますし、
先生もいます。それに命綱、ヘルメットもつけます。安心してね。
ですが、もちろん飛ぶのが苦手な人もいると思いますので、一つ下の階から飛んでもいいですよ。
その階からも、命綱を付けてください。では、始めてください」
みんなはすぐに学校に入って屋上に上がってる。屋上に上がるのは初めてだな。
「ラシエルさん、マリーさんの空を飛ぶ手伝いをしてくれますか?」
「はいわかりました。さっ、頑張ろうマリー」
「うん、でも、まだ私は飛べないよ・・・進めるだけ。しかも低空飛行で」
「大丈夫大丈夫。さっきの魔法の授業だってちゃんと出来たじゃん。きっと出来るよ」
「わかった、やってみる」
そうだよ、さっきだって魔法できたし。きっと・・・・・・出来る。
「そうそう、1回やってみよう!」
そういっては見たものの・・・・・。屋上より一つ下の階って言ったって高い!
こっから飛ぶなんて無理だよ、いくら命綱をつけるからって怖すぎる・・・・・。
「よし、命綱つけたね、ヘルメットつけたね、じゃあ見本見せるね」
も、もう?作業が早すぎるよ、急にいわれたってそんな・・・・・。
「えっ、まだ心の準備が」
「大丈夫だって。じゃ行くよー、ほい」
すごい、下に下がることなく真っ直ぐに飛んでる、それどころか逆に上がってる。
あっ、バックして戻ってきた。
「こんな感じだよ、大丈夫?飛べそう?」
「う、うん飛べるかな。頑張ってみる・・・・・」
「頑張れ!」
よし、ほうきにまたがって、ジャンプして飛ぶ!
「その調子、いいよ」
進めてる・・・・大丈夫。でもたったの二メートル。ラシエルの四分の一の長さも飛べてない。
「うん、飛べた。ありがとう!」
あんまり進んでないけど、飛べたことには変わりはないよね。
あれっ?これからどうしたらいいんだろう。うぁわわわ、どんどん下がっちゃう。
「よし、そのまま戻ってきて」
「無理、戻り方わかんない・・・。どうしよう」
バックする方法なんて教えてもらわなかったし、どうしよう・・・・・・。
「えー!あっ、前に進む方法はわかる?」
「うん、それぐらいなら」
さっきやったことを、同じようにやればいいはず・・・・・。
「よし、方向転換を教えるから、前に進んで戻ってきて」
「それなら出来るかも」
ってか、教えられるほど出来るって、すごい。さっきから、足引っ張ってばっかだ・・・・・。
「オッケー、じゃあまず曲がることだけを意識して」
「うん」
「曲がる方向に押す感じで、こっち側に体を向けて」
「わかった」
曲がる、曲がる、曲がれる。そしてゆっくり押す、曲がっていってる!
そのまま押してー。よし、曲がった。
「曲がれてるよ!そのまま前に進んで」
「うん」
前に押す、出来る。でも、まだこんな距離進んだことない。
曲がる前に進んだ距離が、私の出来た限界だし。まぁ、どんどん下がってきたし。
もう無理かも、命綱ついてるし落ちても死なない。ならあきらめちゃおうかな・・・・・・。
でも、せっかく飛べるんだ。最後まで進もう、がんばらなきゃ、前に、前に・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お疲れ、戻れたね」
「出来た・・・・」
えっ?戻れた!やった、戻れた!私、出来た?自分の力で?
「ほら、出来るっていったでしょ」
「うん、そうだね。ありがとう!」
「みなさーん時間です。校庭に戻ってください」
「先生だ、マリー戻ろう」
「そうだね」
ふぅー、出来たけど魔法もやって空も飛んで疲れた。まだまだ練習しないと全然飛べない。
「ではこれで授業は終わりです。お疲れ様でした」
「出来てたじゃん。マリー」
「うん、ありがとう。ところで、リタはどこで飛んでたの?」
私は、リタを見つけられなかったけど、リタは、私を見つけられたのかなぁ?
「あぁ、私は、バーレットに空を飛ぶやり方を、教えてたのさ」
「そうなんです・・・・・私、空飛ぶの苦手で・・・・・・」
「そうなんだ、飛べた?」
「はい、頑張って飛べました」
「すごい」
きっと、わたしなんかより、ずっと長く飛んでいられるんだろうな・・・・。
「いえ、まだまだです・・・・・」
「さっ、次の授業行こうよ!」
「わかったてば、ラシエル!引っ張んないで!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はぁー、やっと一日終了。空飛んだり魔法使ったり、全体的に疲れた・・・・・・。
「今日一日過ごしてみてどうだった?マリー」
「うん楽しかったよ、リタ。疲れたけど」
もう、めちゃくちゃクタクタです・・・・。
「そっか、それはよかった。疲れたのならもう子よっか」
「うん、お休み」
今日は昨日より寝るの早いな。かなり、体だるいし、ゆっくり休もう。
「お休み!」
「おやすみなさい・・・・・」
最後まで呼んでいただき、ありがとうございました。
今回も、遅くなってしまいスイマセン。
では、次回もお楽しみに!




