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日本男児、異世界を征く。  作者: 益荒男中年
9/52

説明を聞く。

再開します。

         第九部


ひとしきり泣き、少し落ち着いた。


ナターシャさん達は、何も言わずに待っ


ていてくれていた。ナターシャさんに頷


き話の続きをお願いする。


「神の誤りで亡くなった者には、お詫び


としてですが、ささやかながら関わった


神の加護が与えられます。しかし、その


まま蘇生すると、その世界の秩序に良か


らぬ影響を与える恐れがあります。神の


加護とは、その神が自らの能力(あくま


であまりに危険な、禁忌を冒すような


能力は省いた簡易コピー版)を与え、そ


の者が蘇生の後不自由なく残りの人生


を過ごせるように、との意味合い込めら


れてます。」


俺は、ここまでは理解した。


ナターシャさんは、続ける。


「しかし、当然加護を与えられた者は、


知力 体力 その他あらゆる能力が劇


的に向上し、その者の種族の限界を越


えた超越者になってしまいます。テー


ブルの上のカップを取ろうとしただけ


で、破壊してしまう。歩こうと一歩を


踏み出しただけで、大地を揺るがす。


更には、念じる事で事象を起こす。建


築物の破壊、地形操作、災害発生と操


作他。悪い事に他者を傷つける、生殺


与奪も思うがまま、という事まで。


まぁ、流石に後半部分は極論ですが無


いお話ではなかったので。過去に事例


がありはしたのですが。そうですね、


こうお考えになって下さい。例えば寝


起きの幼い子供達が、準備運動もなし


にいきなり裸足で駆けっこ競争をしよ


うとしているところに、大人の世界記


録保持の現役選手が、完璧にコンディ


ションを整え、ハンデなしで本気で挑


んでくるみたいな事なんです。とても


不公平ですよね?」


「ナターシャ様、最後の例え話は、微


妙にずれていると言いますか、あまり


ソフトに例え過ぎると誤解が・・・」


「リュドミラ、私はあなたに発言を許


可した覚えはありませんよ。」


「・・・」


俺は、思った。チート能力という、ラ


ノベ等でよく聞くものだ。しかし、現


世にそれが具現化しても、ろくな事は


ないだろう。自身や家族、友人等の幸


せや健康等に限って能力を使っても、


反則級の効果をもたらす。やがて調子


に乗り出し、富や権力等を求め暴走す


る。何かでバレそうになれば、他者を


攻撃もするだろう。ろくじゃぁない。


例え清廉潔白な聖人君子のような人物


でも、手に入れた『力』の誘惑に勝て


ず暴走するだろう。とても、蘇生のの


ちの余生を健やかに過ごす助けにはな


らないだろう。それならば、病気をし


ないとか、怪我をしない等ささやかな


ものにして、現世に返してくれれば良


いのに。まさしく、『過ぎたるは、及


ばざるが如し』な話だ。


納得出来るかどうかは別として、話が


みえてきた。

第九部お読み頂きまして、ありがとうございます。引き続き宜しくお願いします。

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