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日本男児、異世界を征く。  作者: 益荒男中年
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その名は、ナターシャ。

         第六部


「私は、ナターシャ。女子大聖剣術士。


異界の貴男には、”戦闘天使”と言った


方が伝わりやすいかしら。私の事は、


肩書き無しでナターシャと、そのまま


名前でお呼び下さいね。」


女子大生、もとい女子大聖・・・、戦


闘天使?俺は、異界の者・・・。


しかし、戦闘天使とは穏やかではない。


善人という訳でもなかったが、間違っ


ても、悪人ではなかった筈だ。理不尽


にも死を迎えたのに、それだけではな


く、攻撃的な存在に裁かれるのだろう


か?このあと、地獄行きなのか?


理不尽だ・・・。納得したくない。


だが、今のところ、相手から威圧的な


感触は受けない。あくまで、優しく穏


やかに語りかけてくれている。


こちらの言い分も聞いてくれそうなの


で、ナターシャさん、いや様?にひと


まず聞いてみよう。


「質問させて下さい。感覚はあるのに、


俺の身体が見えません。これって霊魂


?幽体?の状態ですよね?


空に浮かぶ島や貴女という、空飛ぶ存


在を見るに、やはり俺は死んでしまっ


た。あの世に来た、という事で、宜し


いのでしょうか?」


ナターシャさんは頷き、語り出す。


「私も、お名前で呼びますね。


長門さん、ここは貴男の世界でいうあ


の世、冥界ではありません。


貴男は、もとの世界では肉体は確かに


滅びました。魂は肉体から解き放たれ、


確かにそのまま冥界に行くのが、自然


の摂理ではあります。


しかし、貴男には特殊な事情がありま


して。まれにある事なのですが。


貴男の魂は、次元と時空の壁を乗り越


え、こちらの神界『クレムリン』にや


ってきました。」


クレムリン・・・、ナターシャ・・・


ここは、ロシア?みたいな世界?


いつかは、ロシアを旅行してみたいと


思ってはいた。


シベリア鉄道で大陸を横断し、モスク


ワを、サンクトペテルブルグを自分で


歩いてみたい、見聞したい、と。


当然だが、ロシア風異世界に行きたい


と夢見ていた訳ではない!


しかし、何故次元と時空を越えて異界


に来る必要があったのか?死んだら、


あの世に行く事は解った。


肉体は滅びたというから、蘇生する事


もないだろう。


しかし、これでは。やがてあの世で家


族と再会する事もない。きちんと、孝


行しておけば良かった。後悔する。


ふと、気づいた。話の続きを聞かなく


ては。まだ、考えている場合ではない。


しかし、こちらの身体が見えないのに


仕草や表情が伺えないのに。よく、こ


ちらが思案中と察してくれているな。


オーラのような物が出ているのか?


ナターシャさんを見つめて、話の続き


をお願いします、と頷く。


静かに、じっくりと待っていてくれた


ナターシャさんは、また語り始めた。

第六部、お読み頂きましてありがとうございます。引き続き宜しくお願いします。

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