ルビャンカからクラスヌイ オクチャブリ へ。
第二十八部
・・・舞台は、『クラスヌイ オクチャブリ宮
殿』へと移動する・・・
・・・「副主神、聖ヨシフ閣下は、こちらの控
の間でお待ち下さい。聖リィーエフ様、聖ミハ
イル様は、隣室にどうぞ。」
二人の若い執事に案内され、部屋に落ち着く。
「聖ミハイル、取り敢えず”一命は取り留めた”
ぞ。感謝する・・・しかし、よくあの短時間
で動きが取れたな?君の手腕には、恐れ入る
よ、まったく・・・。」
「聖リィエーフ、私だけではとても・・・。
主神ウラジミール閣下が、そう遠くないうち
に、”お二人”の直接対決が起こる事を憂慮さ
れ、既に”手は打たれて”おられました。
私が動き出したと同時に、先程の執事が
”命令書”を持って現れたのですよ・・・。」
「閣下に対し、自らの不甲斐なさが申し訳な
いよ。あの男は、聖ヨシフは・・・始めは、
”これといった”特徴の無い、”地道に、熱
心に”だけが取り柄の男に見えた。皆が、そ
う思っていたよ。一歩一歩、確実に実績を
積み上げ・・・気付いた時には、誰も彼に
”何も言えない”ような状態、さ。
幸い、あの男に対抗しうる”力”を持つ機
会に恵まれた私は・・・何とかあの男に対
する”抑止力”たらん、と務めてきた。
君の助力があって、組織は私が思い描い
た以上に、優秀に・・・そして大きく育っ
た。どこに出しても恥ずかしくない”精鋭”
な”軍”となった。しかし、それがまた、
新たな火種となり、あの男の猜疑心の巨大
化と組織の強大化に結びついた・・・。
君を始め、本当によくやってくれた”同
志”達と、お心を痛めている主神ウラジ
ミール閣下に、申し開きのしようがない。」
「聖リィエーフ、私を含め皆があなたの示し
た道を歩み、新たな組織”軍”を自分達の手で
作り上げる事に、喜びと誇りを感じていたの
ですよ。そして、あなたは常に裏方だと言い
表に立った私があればこそ、の組織とおっ
しゃっておりましたが・・・あなたがその
”裏”で、どれだけあの男と戦ってきたか、
皆知っています。あなたという”指導者”が
いるからこそ、ですよ。」
「聖ミハイル・・・」
扉がノックされ、先程の執事が入室してくる。
「お待たせ致しました。主神ウラジミール閣下
への、お目通りの準備が整いましてございます。
・・・それと、閣下からの御言葉がございます。
『リィエーフ、決して悪いようにはしない。
ヨシフを甘やかし過ぎたと、悔いている。少し
灸を据えてやろう。そして、ミハイル。”準
備”は整ったな?』で、ございます。」
「準備?聖ミハイル、閣下から”命令書”
以外に何か賜ったのかね?」
「聖リィエーフ。ルビャンカ宮殿周辺並び
に、ここクラスヌイ オクチャブリ宮殿周
辺に”軍”の動員を掛けました!」
「何だと?」
「”即応部隊”の投入は完了、ルビャンカ宮殿
の”諜報機関”並びに”暗殺天使”は抑えまし
た。第二陣も移動中であります。包囲は間も
なく完成致します!尚、ここクラスヌイ オ
クチャブリ宮殿におきましては、”衛兵”を
もって、我らの”障害”を排除致しました。」
「”衛兵”は、閣下の御裁可がなければ・・・
なるほど。しかし、我ら・・・?君は、宮廷
執事ではないのかね?」
「聖リィエーフ、彼はあなたの部下の一人
です。”戦闘天使”ゲオルギー。そして、
もう一人。構わん、入りなさい。アレク
サンドルです。優秀な男達です。是非、覚
えてやって下さい!」
確かに、宮廷執事にしては若く、そして
逞しい二人ではあったが・・・。
よく揃った動作で敬礼する二人に答礼し、
”これは・・・予想だにしない一大事。い
や、これは面白くなってきたぞ”と思った。
お読み頂きまして、ありがとうございます。誤字脱字、誤表記がございましたら、是非ご指摘下さい。よければ、ご感想も頂けたらなんて思っちゃったりなんかしちゃったりして・・・当たる訳がない百万円が、やはり外れたので、テンション高めです。




