アース神界の事情。
第十部
ここで、アナスタシア嬢が口を開く。
「あなた、既に 加護の力 をお使いになられ
たけど。先程の炎を纏った風ね、怒りに任せて
無意識に出た感じでしょうけど。 あなたが今
までいた世界で、あれをしたら・・・。どうな
るかは、お分かりよね?」
どことなく、冷たい印象だ。
それはともかくとして、俺は答える。
「とても神様の加護とは思えない結果しか、も
たらさないでしょうね。」
アナスタシア嬢が続ける。
「そう、理不尽なお話だけど。だから、神の加
護を得た者は、その 加護の力 がその者の余
生に災厄をもたらさない異界に転移されるの。
それに、こう言ってはなんだけど。忘れたい
ミスの結果が、いつまでもそこにある、という
のも、内心ねぇ。」
俺は、思った。
確かに、理不尽だ。しかし、案外神様も俗っぽ
いものなのだな。冥神 リカルド 様は、ミス
の代償に俺に加護を与え、その上司の ガイア
様が話を付けて、俺はこちらに転移した、と。
アナスタシア嬢が、応えた。
俺は、思っただけで口にしていなかったが。
心を読まれていた。当たり前か・・・。
「大体の話の流れは、ご理解頂けたようだけ
ど。あなたには、リカルド様、ミランダ様、
そしてガイア様の加護が与えられているの
よ。なかなか珍しいケースね。」
ミランダ様?突然出たその人は誰だ、何の
神様だ?
ナターシャさんが、応えてくれた。
「少々、混み合った話になります。アース
の神界は本来実力主義。ガイア様も本来、
厳格に伝統と格式、法を守る守旧派の代表
格のような方だったそうです。しかし、生
命誕生を司る女神、ミランダ様と添い遂げ
られてから、事情が変わってきたそうで。
自身やミランダ様の派閥や親族を優遇しは
じめ、意に沿わぬ者を退け、他の神のポス
トを 身内 で固め、やがて自らのお子様
方が成長すると、傀儡者をも退け・・・。
リカルド様はお二人の末子。数多くのお子
様方の中でも、特に可愛がられていたそう
です。少し逸れましたが、とにかく世界を
万物の創造を司る主神ガイア様、生命誕生
を司る女神ミランダ様、死を司る冥神リカ
ルド様。大切な、何より大切な 命 の流
れを独占してしまったのです。これは、他
の神界では、神の思い上がりを戒める為に
も、あり得ません。」
頭が痛くなってきた、ような気がする。
なんて下らない、スキャンダラスなお話が
飛び出してきてしまった。
俺がニュース等で知る限りでも、地球は各
国家、民族、思想・宗教の間その他の間で
問題が山積みだったような気がする。人間
の愚かさこそ、原因だろう。しかし、それ
だけではなかったのか。
話が壮大過ぎる世界の理は、ともかくとし
て。怒りを通り越し、呆れて冷静になれた。
申し訳ないが、リカルド様はあまり優秀な
方ではないのだろう。そもそも、その仕事
が向いていないのかも知れない。
それに、代償の加護を与えるのも満足に出
来ず、両親が出てきてやってみせた後で実
践させた。だから、俺には3人分の神の加
護が有るのではないか?
なんだか、どうでもよくなってきた・・・
第十部まできました。話があまり進んでいない、
表現力がないな、と少し悲しくなってきました。
読んで下さっている方がもしいるなら、引き続き宜しくお願いします。




